守備の1歩目、打撃のタイミングが向上する練習法は? プロ球団も重要視する“リズム感”

公開日:2025.04.19

文:橋本健吾 / Kengo Hashimoto

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プロ野球球団も導入する「リズムトレーニング」の効果を専門家が解説

 スポーツにおいて、プレーの精度を高めていくのは“体内のリズム”だ。近年、プロ野球のDeNAなど野球界にも取り入れられているのが「リズムトレーニング」。少年野球の子どもたちにも、楽しみながら継続できる練習方法の1つとして注目を集めている。First-Pitchでは、野球などのスポーツ界で活躍する専門家・トレーナーに子どもの「運動神経向上」をテーマに取材。パフォーマンスや怪我予防に繋がる“リズム感”に迫った。

「多くの指導者の方々と話すなかで、タイミングを感じて合わせることが大切だと言われます。守りなら守備の1歩目、打撃でもタイミングを取る方法。リズム感を持っている選手はスムーズに行動できる子が多いです」

 野球に繋がるリズム感の重要性を語るのが、一般社団法人「スポーツリズムトレーニング協会」(略称STAR)認定のインストラクター・渡辺智典さん。実際に現場にも足を運び、リズムトレーニングを数多く指導してきた実績を持つ専門家だ。

 例えば内外野を守る選手たちが、投球のインパクトに合わせて軽くジャンプする「スプリットステップ」。打者も打席で手や足で独自のリズムを取りながらタイミングを合わせていく。リズム感のある・なしではプレーの質は大きく変わっていくという。

日本臨床整形外科学会が推薦…怪我の予防にも

STAR認定のインストラクター・渡辺智典氏【写真:川村虎大】

「タイミングを取るのは野球において非常に大事です。野球は“間”(ま)のあるスポーツ。ステップワークなど体の動作が必ず入ります。マシンの150キロは打てても、人が投げる150キロが打てないのは、個々によって投げるタイミングが変わるから。相手がどうにかして崩そうとしてくる、そこに対応していかなければいけません」

 リズムトレーニングは運動能力の向上、怪我の予防にも繋がると言われており、日本臨床整形外科学会が推薦するトレーニングにも入っている。リズムに乗って体を動かすことで、力の出し入れを身に付ける。そうすることで「静から動」ではなく、体が想定外の動きにも反応できるようになり、怪我のリスクを抑えることができる。

「特にプロ野球選手の動きを見ると、簡単そうにプレーします。その背景は、余裕を持って、リズムをゆっくりと取りながらも、準備ができているから。自分のリズムがあるからこそ、“力を抜く・入れる”のタイミングを持っており、“脱力”しながら瞬時に力を発揮することができます。無駄な力が入っていないことは、怪我を防ぐことにも繋がります」

 指導現場では、音楽をかけながら、音に合わせてストレッチを行うだけでも効果的だという。学童野球では「まずは楽しみながら、遊び感覚で取り入れてみてほしい」と渡辺さん。飽き性な子どもたちでも、楽しみながら続けることが可能だという。21日から開催されるイベント「運動神経向上LIVE」でもリズムトレーニングを紹介。練習のバリエーションを増やし、スキルアップを目指していきたい。

リズムトレーニングなど、子どもの運動神経向上に役立つ練習法を紹介!

 Full-Count、First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、4月21日から5夜連続でオンラインイベント「運動神経向上LIVE」を開催します。足の速さなどの俊敏性を身に付ける方法は? バットやボールの扱いをうまくするには? 選手や指導者、保護者が知りたい、野球などのスポーツ上達に必須の能力向上につながる練習法を、豊富な実績を持つ指導者・トレーナー陣がアドバイスします。参加費は無料。出演者などの詳細は以下のページまで。

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