“他者との比較”はモチベーションが低下 地味練の継続へ…ヒントは「ウサギとカメ」
野球塾運営する長坂秀樹氏…コツコツ続けて甲子園&米独立リーグで活躍
地味な練習を継続するヒントは「ウサギとカメ」にある。長野・東海大三(現・東海大諏訪)時代にエースとして甲子園に出場し、米国の独立リーグでもプレーした長坂秀樹氏は、地味な練習プログラムを冬場にコツコツ続ける積み重ねがパフォーマンスの差に表れると説く。First-Pitchでは、少年野球の現場を知る“凄腕コーチ”12人に取材。長坂氏は、現在運営する野球塾の子どもたち、保護者や指導者に「継続するコツは他人と比較しないこと」と伝えている。
長坂氏は現役時代、最速152キロの直球を武器にしていた。身長168センチで速い球を投げるため、体の使い方やトレーニング方法を探求していた。短期間で劇的にパフォーマンスを向上させる近道はないと考え、ストレッチや筋力トレーニングといった地味なプログラムもコツコツ続けてきたという。
「他人と競争することは好きではありませんでしたが、自分の目標に向かって継続することは嫌ではなかったです。自分の理想の投手をイメージして、そのゴールに向かって努力していたので、周りの選手がどんな練習をしているのかは気になりませんでした」
長坂氏は現在、神奈川県藤沢市で野球塾を開いている。冬場は野球道具を使わないストレッチやトレーニングに割く時間を増やしている。それぞれの選手を指導するのは基本的に週1回となるため、特殊な道具は使わずに自宅でも継続できるプログラムを教えているという。
「中学、高校、大学と指導者は変わっていきます。指導者によって考え方や練習内容は変化していきます。その中で、変わらないのは自分自身です。どんな指導者の下でも、指導者が近くにいなくても、自分の特徴や自分に合ったプログラムを把握することが大切だと思っています」
比較するのは過去の自分…成功体験で身に付く“継続性”
継続する必要性は分かっていてもコツコツ続けることが苦手な選手には、イソップ童話の「ウサギとカメ」を例に出す。「ウサギは相手を見ていたのに対し、カメはゴールだけを見て自分のペースで歩き続けました。他人と比べるのではなく、自分の目標に向かってコツコツ続けていれば上達できるはずです」と説明。そして、保護者や指導者に対して、こうアドバイスする。
「上手い選手と比べて『何で、できないんだ』などと言われた選手は、モチベーションを失います。大人には個々の選手の半年前、1年前と比べて成長した部分を褒めてほしいと思います」
元々は継続が苦手なタイプの選手が、学年を重ねるにつれて続けられるようになるケースがあるという。長坂氏は共通点に「成功体験」を挙げる。「結果が出て継続する大切さを理解した時、選手は地味な練習でも続けるようになります」。初心者や小学校低学年に対しては特に、長坂氏はプログラムの難易度を下げてでも成功体験を増やす指導を心掛けている。
長坂氏は今月27日から5夜連続で行われる「大人のための少年野球塾」にも参加予定。子どもたちが練習の継続を身に付けるには、大人の役割も大きい。
中日・小笠原慎之介らを指導…長坂秀樹コーチも“参戦決定”!
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