努力が結果につながらず…名門野球部の元選手が痛感した“非効率” トレーナーを志す転機

公開日:2023.07.02

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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元明徳義塾・久松宏輝氏 野球塾「ANAZING」でトレーナー

 子どもたちの努力を笑顔に変えたい。名門・明徳義塾高の野球部出身で、現在は野球塾「AMAZING」でトレーナーをしている久松宏輝さんは大学2年の時に人生の転機があった。小学生時代に日課にしていた腕立て伏せ150回が、パフォーマンスにつながる内容ではなかったと気付いた。自分のような経験をする少年野球の選手を1人でも減らそうと、効果の高いトレーニング方法を伝えている。

 大阪府の強豪・東淀川ボーイズから高知・明徳義塾高を経て、野球推薦で大阪産業大学に進学した。久松さんが歩んできたキャリアは華やかに見える。ただ、プロや社会人の名門でプレーするレベルの選手を目の当たりにし、自身の限界を感じていた。明徳義塾では内野手としてプレーしたが、レギュラーの壁は厚かった。1学年下には現在、西武に所属する岸潤一郎外野手がいる。

「明徳義塾で周りのレベルの高さを知りました。大学野球で結果を残して社会人に行ける自信はなかったので、将来に生きることを始めたいと思いました」

 大学では体のメカニズムやコーチングを学ぶ学科だったこともあり、久松さんはフィットネスクラブでアルバイトを始めた。そこで、衝撃を受けた。

「小学生の頃、毎日150回の腕立て伏せを日課にしていました。中学や高校でも筋力をつけてきたのに、正しい腕立て伏せの仕方を教わった時、20回しかできませんでした。今まで続けてきたトレーニングが、いかに非効率だったのかを知りました」

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