「誰でも足が速くなる」腕と下半身の使い方とは? 元甲子園球児推奨の“毎日100回”

公開日:2025.04.12

更新日:2025.04.15

文:間淳 / Jun Aida

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ランニングトレーナー村田和哉氏が力説…技術と反復練習で足は速くなる

 走りは自転車と同じ……。反復練習をすれば誰でも足が速くなるという。俊足を武器に福井商で2度の甲子園出場を果たし、その後は陸上競技の道へ進んだランニングトレーナーの村田和哉さんは、「1つコツをつかむだけで走りは変わる」と強調する。First-Pitchでは野球などのスポーツ界で活躍する専門家・トレーナーに子どもの「運動神経向上」をテーマに取材。村田さんに、自宅でも手軽にできるお勧めのドリルを紹介してもらった。

 足の速さは遺伝性による部分もある。だが、要する時間に個人差はあっても、練習を繰り返せば「誰でも今より足が速くなる」と村田さんは力を込める。

「運動神経は、自分が思った通りに体を動かせる能力だと私は思っています。運動神経に個人差はありますが、反復練習すれば必要な動きを習得できます。練習してコツや感覚をつかむと、大半の人が自転車に乗れるようになるのと同じことです」

 速く走る動きを身に付けるため、村田さんが指導で大事にしているのがドリル練習だ。足の上げ方や地面の蹴り方、腕の振り方など動きを分解し、反復によって体の使い方を覚えていく。例えば、自宅でもできる「毎日練習」として、「腕の振り方」「足の動かし方」「股関節とお尻の強化」の3つのメニューを推奨している。腕の振り方であれば、「あごの高さまで両手の親指を上げる」「手の平は骨盤の横を通す」などポイントを挙げ、1日100回の腕振り練習で走りに変化が生まれると話す。

「腕振りには、より地面に加える圧を高める効果があります。腕を振ると地面から反発を得られますし、立ち幅跳びと同じで、腕を前方に振ることで重心を前に運びやすくなります。何となく大きく振ろう、強く振ろうではなく、ポイントを押さえることが大切です」

しんどいイメージ払しょくへ…子どもが楽しさ感じる指導を

「成功体験が自分の可能性を感じるきっかけになる」と語る【写真:伊藤賢汰】

 走る練習には「つらい」「しんどい」といったイメージが強い。しかし、村田さんの指導では、練習後に子どもたちから「楽しかった」と声が上がる。その理由を語る。

「ドリルを大切にしているので、ただ走るだけの練習はほとんどしません。50メートルダッシュを繰り返して息が切れるようなメニューはありません。1つ1つのドリルに達成感や成功体験が伴うので、楽しさを感じられるのだと思います。それから、その成功体験が自分の可能性を感じるきっかけにもなります。もっと速く走れそうという明るい未来が見えるところも、前向きに練習できている理由です」

 野球界には「走った量がスピードに比例する」という考え方が根強い。ポール間ダッシュなどの練習は体力や筋力、精神力を強化する効果はあっても、根本的な足の速さにはつながらないという。村田さんは「長い距離を走って足が速くなったとすれば、筋力が強化されたからです。こうした練習とドリルは分けて行った方が良いです。そうすると、体力を鍛えるメニューの中でも良い走りができるようになり、練習の質が上がる好循環につながります」と説明する。

 練習につらさを感じ、ネガティブな感情で取り組んでも効果は薄くなる。村田さんは21日から開催されるイベント「運動神経向上LIVE」に出演予定。楽しみながら足を速くする指導法や練習法も明かされる。

【実際の動画】速く走りたい選手必見! 腕・足の使い方で激変…元甲子園球児実演の3ドリル

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