左肩の前で捕らざるをえない状況もある
「現役時代、レフト前方のフライは得意で、センター前方のフライは苦手意識があったんです。レフト方向のフライは右側で捕ることができますが、センター方向の場合は左側で捕らざるをえなくなります」
自分自身の得手不得手を理解しておくことも、プレーの上達には欠かせないことだろう。苦手なプレーこそ、練習を重ねておきたい。
また、フライ捕球に関して、「両手で捕りなさい」という教えを受けた子どもたちもいるのではないだろうか。しかし、プロの世界を見ると、シングルハンドキャッチが当たり前だ。大引さんは、どんな考えを持っているのか。
「片手で捕るほうが、腕が動く範囲が大きくなり、余計な力が入りにくいと思います。あえて言うのであれば、捕球時に右手でグラブにフタをするように、手を添えたほうが安全ですが、それを意識して動きが硬くなるのなら、片手でいいと思います」
子どもたちの中には、「両手で捕ろう」と思うばかりに、フライがうまく捕れない選手もいるかもしれない。片手で捕ることは何ら悪いことではなく、腕の自由が利きやすいことを覚えておきたい。