2mの“超短距離”ダッシュで球速アップ 中日・小笠原が中学時代に取り組んだ練習

公開日:2022.11.05

更新日:2023.07.04

文:間淳 / Jun Aida

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米国の元独立リーガー・長坂秀樹氏 中学時代の中日・小笠原を指導

 米国の独立リーグなどでプレーし、引退後は野球塾を開いている長坂秀樹さんは、中日・小笠原慎之介投手の中学時代に指導していた。自身は身長168センチと上背がなかったが、最速152キロの直球を武器にした。球速アップを強く望んだ小笠原に課した練習はお尻強化などもあったが、特筆すべき1つが2メートルの“超短距離”ダッシュだった。投手練習と言えば長距離走が主流だった時代に長坂さんのメニューは独特で、小笠原が150キロ左腕となる礎をつくった。

 長坂さんは2011年から神奈川県藤沢市で、主に小、中学生を対象にした野球塾を開講している。現在44歳。自身が中学生や高校生の頃はスポ根が主流で、投手は15キロ、20キロを走る練習が珍しくなかった。

 走り込みが無意味だとは考えていない。心肺機能を高める運動は体力づくりにある程度必要だという。ただ、投手には瞬発力を高める練習が重要だと説く。

「知識や経験を重ねた今になると、短いダッシュやジャンプを練習で増やすべきだったと思っています」

 長坂さんは身長168センチと大きくないが、現役時代の直球は最速152キロを計測した。野球塾には長坂さんの知識や技術を教わろうと、速い球を投げたい子どもたちが集まってくる。

【次ページ】100球の投球=100回の一瞬 瞬発力を鍛える練習メニューに重点

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