小学生低学年で覚えたいゴロ捕球の“正しい形” 強豪学童3チームに学ぶ守備指導の秘訣

「マクドナルド・トーナメント」出場チームの守備練習とは?
野球を始めたばかりの子どもたちにとって、ゴロ捕球は最初に直面する“壁”の1つ。打球への恐怖心や、正しい体の使い方が分からずにボールを弾いてしまうことは少なくない。しかし、全国レベルの強豪チームは、この年代から独自の反復練習を通じて、捕球の基本を徹底的に体に染み込ませている。3つのチームの実践例から、確実な捕球技術を育む指導法を掘り下げていく。
・強豪チームは低学年から捕球の基本動作を徹底している。
・単純な反復練習に、選手の理解を助ける工夫を加えている。
・練習の効率化で、ボールに触れる回数を増やしている。
2023、2024年に全日本学童大会マクドナルド・トーナメント連覇の実績を持つ新家スターズ(大阪)では、ゴロ捕球時の“スピードの切り替え”を意識させる練習を取り入れている。もも上げ運動の後にゴロを捕球させることで、突っ込む勢いを制御し、体の切り替えを覚えさせるのが目的だ。また、学童野球では「ライトゴロ」が狙えるため、守備力の高い子を右翼に配置し、二塁も兼任させる守備隊形を組むなど、低学年から戦術的な守備意識を植え付けている。
マクドナルド・トーナメント準優勝の経験を持つ守山ボーイズ(愛知)では、基本動作の習得を最優先している。チーム全体を統括する山本次雄会長は、細かいサインプレーは基本ができてからだと述べ、段階的な指導を重視。その象徴的な練習が、グラウンドに三角形を描き、それに沿ってステップを踏みながら捕球するメニューだ。視覚的に足の運びを理解しやすく、反復することで自然な捕球フォームが身に付く。学年ごとに技術的なゴールを設定し、着実にステップアップできる環境を整えている。
同じくマクドナルド・トーナメント出場経験を持つ吉川ウイングス(埼玉)は、初心者や低学年の選手に対し、段階的な指導でボールへの恐怖心を取り除く。まずは地面に置いたボールを正しい形で捕る練習からスタート。止まったボールで理想的な形が作れなければ、動く打球の精度は上がらないからだ。ジグザグ走で捕球姿勢を作る練習などを通じ、半年から1年でリズム良い足の運びを習得させる。練習の効率化も重視しており、ノッカーを2人にするなどして、選手がボールに触れる機会を最大限に増やしている。
強豪チームの指導から見えてくるのは、プロの指導にも通じる「基本の徹底」だ。地味な反復練習であっても、その目的を明確にし、選手が理解しやすい工夫を凝らすことで、技術は確実に定着する。複雑なプレーや戦術は、揺るぎない基礎があってこそ生きてくる。指導者や保護者は、日々の練習にこうしたエッセンスを取り入れ、選手の着実な成長を後押ししたい。
・捕球の基本は、止まったボールを正しい形で捕ることから始める。
・視覚的な補助(線や印)を使い、足の運びや体の使い方を覚えさせる。
・練習方法を工夫し、待ち時間を減らしてボールに触れる回数を増やす。
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