子どもの手に合う「野球グローブ選び」 表記で判断は危険…守備のミスを減らす“目安”

公開日:2025.05.14

更新日:2025.09.25

文:First-Pitch編集部

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少年野球のグローブ選びで気を付けたいポイントは? 専門店代表がアドバイス

 野球のグローブ(グラブ)はバットと並んで、プレーの質や上達に直結してくる道具といえる。決して安くはない買い物だけに、購入の際には子どもたちにフィットした、かつモチベーションも高まるものを選んであげたい。千葉県鎌ケ谷市にある「超野球専門店 CV」代表の中村勇太さんに、学童野球のグローブ選びで気を付けたいポイントを、わかりやすく解説してもらった。

「メーカーによって表記は異なりますが、多くの場合『S・M・L・LL』で表記されます。手にフィットしているかの目安は、グローブをはめた時、窓(手の甲側の空いている部分)のヘリの部分に、指の第二関節がかかっているかどうか。グローブがしっかり手にフィットしているかは、プレーに直結してきます。成長を見越して大きめのグローブを選んだ場合、うまく手の力がグローブに伝わらず、キャッチミスや送球ミスにつながる恐れもあります」

 重要なのは、自分の手の大きさと、グローブの“内側”のサイズが合っているかどうか。表記だけで判断するのではなく、バットと同様に、実店舗に行ける環境であれば、実際に手を入れて感触を確かめてみるのがベターだ。

 中村さんは、子どもの“先”を見据えてではなく、“今”の手の大きさを基準に選んで購入することを推奨する。

「グローブは革製品なので、使えば使うほど伸びてきます。なので、新品の状態で緩く感じるグラブではなく、少しきつめかジャストフィットのものを選ぶのがよいと思います。買い替えのタイミングは、ポジションが変わった時や、グローブの大きさ(内側ではなく外側)を小さく感じるようになった時。また、革がヘタってきて打球に負けてしまうと感じた時も買い替えのタイミングといえます」

ポジションではなく、自分のプレースタイルで選ぶ

「超野球専門店 CV」に並んだグローブ【写真:編集部】

 グローブの価格帯は非常に幅広く、数千円から数万円までさまざま。ただ、「高ければいいというわけではありません」と中村さんは話す。

「低価格帯のグローブは、どちらかというと“即戦力タイプ”。柔らかい革を使っているので、最初からボールの収まりがよく、買ったその日から扱いやすいと言えます。ただ革が柔らかい分、適度な硬さを保つ期間は短くなります。高価格帯のグローブは、革がしっかりしていることもあり、型崩れしにくく、自分の手に馴染んだ状態が長く続きます」

 野球を始めたばかりの低学年のうちは扱いやすさを重視し、高学年になってから高価格のグローブ購入を検討してみてもいいだろう。

 学童野球のグローブは、ほとんどが「オールラウンドタイプ」のため、捕手や一塁手を除けば、内野や外野でグローブを使い分ける必要はないという。ウエブの形状やポケットの深さなどはメーカーによって異なるが、それよりも大事なのは、やはり“フィット感”だ。

「内側が手にフィットしていれば、グローブの大きさやウエブの形状は、選手の好みで選んでも問題ありません。ポジションを基準に選ぶのではなく、がっちりとボールをつかみたい人は少し大きめでポケットが深いタイプを、素早い握り替えを重視したい人は小さく浅めのタイプを、とプレーの動きをイメージして選ぶのもいいと思います」

【グローブ選びのまとめ】
・「今」の手に合ったサイズを選ぶ。
・表記に惑わされず、手を入れた際の「内側のフィット感」を確認する。
・価格の違いは、いい状態で長く使えるかどうか。
・買い替えの基準は“革のヘタり具合”
・大きさやウエブの形状は、ポジションではなくプレースタイルで選ぶ。

 グローブは“第二の手”とも言えるだけに、しっかりと自分に合ったものを選ぶことで、プレーの質も上達のスピードも変わってくる。定期的に状態をチェックし、使い心地やフィット感に違和感があれば、買い替えを検討するのがよいだろう。

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