山本由伸の制球高めた「独り練習」 大谷翔平が書き続けたノート…世界一に辿り着く“習慣”

文:First-Pitch編集部

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ドジャースのWS連覇に貢献した大谷、山本、佐々木の少年野球時代

“世界一”にたどり着ける要因には、少年野球時代からの地道な継続がある。今季のMLBワールドシリーズは、ドジャースが4勝3敗でブルージェイズを破り、球団史上初の連覇を成し遂げたが、MVPに輝いた山本由伸投手や大谷翔平投手、佐々木朗希投手の日本選手3人は、球速アップや制球力向上、思考力向上の土台を、小・中学時代から築いてきた。First-Pitchの取材で本人や関係者が語った言葉から、改めて紹介したい。

・小さい子でもできる、動作の再現性を高め、効率良く制球力を磨く方法は?
・将来の球速アップのために成長期にすべきことと注意点は?
・練習の質を高め、考える力を養う習慣をどう作るか?

 山本由伸投手は、小学生時代からプロになった現在まで続けている練習法に「壁当て」があると語っている。最大の利点は、狙ったコースへの高低や左右のズレが視覚的に分かりやすい点で、決して“遊びの延長”ではなく、投球動作の再現性を高める内容が詰まっているという。何より小さい子でも、1人でボールと場所さえあれば実践できる手軽さが魅力。さらに、跳ね返る球を捕球することで、ワンバウンドやライナーといった様々な打球を想定した守備練習にも応用可能だ。単純に見えて奥が深く、コントロール向上に繋がる練習法として推奨している。

 佐々木朗希投手は中学時代に、110キロ台だった球速を141キロにまで伸ばした。当時指導した鈴木賢太氏によれば、球速が伸びる選手は、走力やジャンプ力に優れ、一瞬でエネルギーを出す「爆発力」を体が知っている傾向がある。そのため、持久力を付けた上で、立ち幅跳びやメディシンボールなどで瞬発系を鍛えると効果的だという。ただし、鈴木氏は佐々木の腰の疲労骨折を機に、怪我予防の重要性を痛感。中学生は体が硬くなりやすいため、胸郭や肩甲骨などの柔軟性を維持しつつ、強度を上げるケアを練習に組み込む工夫も必要だとしている。

 大谷翔平投手は小学生時代から「野球ノート」を活用し、反省や課題点を記入していた。大谷の父であり、岩手の硬式野球チーム「金ケ崎リトルシニア」を率いる大谷徹監督も「考える力」の醸成を重視。「考えること、書くことが大事」と、選手たちには、次の対戦に生かすために相手チームの投手や球種といった戦力分析も記録させているという。大谷自身も決して早熟ではなく、中学時代は線が細かったといい「(小・中学生の)今じゃない、先を見ることが大切」と大谷監督。野球の練習だけでなく“頭の訓練”が、世界的選手へと押し上げた。

 ドジャースを世界一に導いた3選手の輝かしい活躍も、少年野球からの地道な反復練習と、自ら「考える力」の積み上げがあってこそ。千里の道も一歩から。憧れを抱く子どもたちも、自身の課題と向き合い、改善し、継続することが将来の飛躍につながるだろう。

・山本も実践する「壁当て」は、狙ったコースとのズレを視認しやすく、1人で制球力を磨くのに有効。
・佐々木のように、「爆発力」を高める練習と故障予防を両立させることが、その後の球速アップに繋がる。
・大谷のように「野球ノート」で分析や反省を「書く」習慣をつけることが、思考力を高める訓練になる。

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