昨季までソフトバンクでコーチ 倉野信次氏は新人時代の千賀を指導
育成選手からメジャー球団と大型契約を結ぶ夢をサポートした。昨シーズンまでソフトバンクで投手コーチを務め、入団当時の千賀滉大投手を指導した倉野信次さんは千賀が成功した理由に向上心と謙虚さを挙げる。プロ1年目は同期入団選手と比べて断トツで体力がなかったという。
「一番良いところは相手の話に耳を傾ける謙虚な部分。そして、アドバイスを成長につなげようと高い目標を持っていました。誰のおかげというのはなく、千賀自身の向上心、もっと上手くなりたいという意識が全てだと思います」
約10年前を振り返るのは、昨シーズンまでソフトバンクの投手コーチをしていた倉野さん。2011年のドラフト会議で育成4位指名を受けて入団した新人の千賀を指導していた。
この年、ソフトバンクは千賀を含めてドラフトで高卒の投手を5人指名した。千賀の指名順位は一番下。倉野さんは「高校時代の練習量が少なかった千賀は、断トツで体力がありませんでした」と回想する。
当時の千賀には、プロの練習についていく体力、シーズンを通して戦う体づくりが必要だった。倉野さんは投球フォームの修正といった技術的な指導をしなかった。トレーニングコーチと相談して、千賀の体力や筋力を徹底的に強化する方針を取った。