25人枠満たしたチームは12%足らず…5年生も人数不足

 まずは2023年度。25人の登録枠が埋まったのは6チームで、全体の11.8%にすぎなかった。昨年度までの「20人枠」に引き下げると、これに達していたのは21チーム(41.1%)となった。

 6年生が9人以上いたのは、25チーム(49%)と、過半数割れ。予選を突破してきた都道府県王者でも、その半数以上は下級生の手を借りていたということになる。今夏、初優勝した新家スターズ(大阪)は、登録19人で6年生は12人いたが、レギュラーのうち2人は5年生だった。

 では10年前はどうだったのか。20人の登録枠を埋めたのは23チーム(45.1%)で、「20人枠」で比較した場合、現在よりもわずかだが多かった。6年生が9人以上いたのは31チーム(60.8%)で、現在の約1.25倍だった。

「小学生の甲子園」と言われる全国舞台でも、登録枠を増やす対策をしたところで、それを満たすチームはまれで、1チームあたりの最上級生については確実に減っていることが明らかとなった。

 案の定の結果に驚きはないが、気掛かりなのは全般的に5年生がさらに少ないこと。コロナ禍の活動自粛などにより、野球を始めるタイミングの多くを失った世代なのかもしれない。来年の全国大会になれば、6年生(現5年生)の多いチームが予選を勝ち上がってくるのか……。

 なお、学年別に活動しているので大会の登録人数は少ないが、全学年を合わせれば数十人規模というチームも少なくないことも付記しておきたい。

○大久保克哉(おおくぼ・かつや)1971年生まれ、千葉県出身。東洋大卒業後に地方紙記者やフリーライターを経て、ベースボール・マガジン社の「週刊ベースボール」でロッテと大学野球を担当。小・中の軟式野球専門誌「ヒットエンドラン」、「ランニング・マガジン」で編集長。現在は野球用具メーカー、フィールドフォース社の「学童野球メディア」にて編集・執筆中
https://www.fieldforce-ec.jp/pages/know

【次ページ】【実際の様子】今大会最少人数で3回戦まで進出した丸亀城東少年野球クラブの入場行進の様子

トレンドワード