全国的にも珍しいシニアとボーイズの連携 硬式野球発展へ川崎市が示す“変革”

公開日:2022.03.05

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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川崎市のシニア3チームとボーイズ1チームが「川崎硬式野球協議会」に所属

 子どもたちが目いっぱい野球できる場所を守る。共通の思いがリーグの垣根を越えた。別々に活動して交流がないのが当たり前となっている中学硬式野球のシニアとボーイズのチームが、神奈川県川崎市では同じ協議会に所属している。違うリーグでプレーする子どもの保護者が連携してグラウンドを整備し、一緒に野球教室も開いている。

 川崎市中原区の河川敷には首都圏では貴重な硬式野球場がある。川崎市が所有し、川崎硬式野球協議会が管理と運営を担う「川崎市多摩川丸子橋硬式野球場」。半官半民は異例の取り組みだが、川崎市の硬式野球事情を語る上で、もう1つ、全国的にも珍しい特徴がある。シニアとボーイズが連携して活動しているのだ。川崎硬式野球協議会の中嶌竜平事務局長は「首都圏や関西など他の地域でリーグの違うシニアとボーイズが、川崎ほど手を取り合って一緒に協力しているところはないと思います。少年野球を知る人から見れば、革命的です」と強調する。

 シニアもボーイズも同じ中学生の硬式野球だが、歩んできた歴史に違いがある。関東を中心にするシニアに対し、大阪で発祥したボーイズは関西から関東へ広がってきた。リーグが別々のため、ほとんど交流がないのが一般的。同じ地域にシニアとボーイズのチームがあると部員を取り合うこともあり、関係が良好とは言えない地域も少なくない。

 川崎市のシニアとボーイズも元々、交流はなかった。だが、川崎市に練習場所が少ない悩みや、野球をしたい子どもたちが東京や横浜市に流出している状況への危機感は共通していた。そこで、川崎市にある社会人チーム、中学生のシニア3チームとボーイズ2チーム(現在は1チーム)は、多摩川丸子橋硬式野球場を管理・運営する川崎硬式野球協議会を2011年に立ち上げ、地元の硬式野球発展へ、ともに歩むと決めた。

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