アニメを入口に自然と野球へ…毎日続けた羽根打ち
20歳でチームを創設して今年で34年目。滋賀・多賀町にある「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督は、日本で最も有名な少年野球チームを作り上げた。楽天・則本昂大投手をはじめ、中学以降も活躍する選手を育ててきた指揮官は、自身の息子2人も甲子園に出場している。連載8回目は、辻監督の子育てをテーマにする。
辻監督は全国大会で優勝するチームを作り上げ、教え子たちは楽天・則本昂大投手を筆頭に上のカテゴリーでも活躍している。そして、辻監督にも1歳違いで2人の息子がいる。長男が生まれたのは、現在のチームを率いて6年目の時だった。
「息子2人には野球をやってほしいとは思っていましたが、強制はしませんでした。物心がつく前から、自宅では常に野球アニメのビデオを流していました。2人とも自然と野球をやり始めました」
2人の息子にとって野球は遊びだった。ただ、年子とあって競うように練習した。辻監督は自身のチームを指導しながら息子たちの練習に付き合ったが、自宅での日々の練習時間はわずか15分だったという。
「物足りないくらいがちょうどいいというのが私の考え方です。飽きる前に練習をやめると、次もやりたくなります。毎日、羽根を打つ打撃練習をしていました。2人の息子を左右の打席に立たせて、交互に羽根を投げます。疲れてきたら打席を入れ替えると、使う筋肉が変わるので休憩せずに15分間スイングを続けられます。息子は2人とも両投げ両打ちです」
親子3人、風呂のふたを“破壊”した日課とは…
汗だくで練習を終えると、3人で風呂に直行した。ここでも日課があった。
「息子が小学校低学年の時から、腕相撲大会をしていました。風呂のふたはジャバラではなく3枚ぶた。3枚を重ねて強度を高め、その上に腕を置いて勝負します。右腕と左腕で順番に。2人同時に相手をした時もありました。今でも鮮明に覚えていますが、長男が6年生くらいの時にふたが真っ二つに割れたんです。息子たちの成長の証。ただ、妻にはめちゃめちゃ怒られました(笑)」
辻監督の息子2人は別々の高校に進学したが、ともに甲子園に出場している。親子での練習が2人の技術や知識を高めたのは間違いない。ただ、辻監督は「甲子園を目指せ」と伝えたことはない。遊びの延長に野球があり、楽しんで続けた結果にたどり着いたのが聖地だった。
「小学生、中学生は初めて目標を持って、何かを成し遂げようとする時期です。その時に、日々の生活以外の面で『つらい』と感じさせてはいけません。野球以外のことでも、将来何かをしようと思った時に、一歩を踏み出せなくなってしまいます。うちのチームに入ってきた子どもたちには絶対に、つらい思いをさせないようにしています。野球はつらいものではなく、楽しいもの。遊びなんです」
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