
オリックスなどでプレーした大引啓次氏、自身は中学から硬式でプレーした
オリックスと日本ハム、ヤクルトで主に遊撃手として活躍した大引啓次氏は、中学時代に硬式の「住吉大和川シニア」でプレーした。自身は早くに硬球になじめたという利点を感じる一方で、少年少女の指導にも関わる現在は「硬式球に触るのを焦る必要はない」という思いもあるという。なぜそう考えるに至ったのだろうか。
大引氏は小学校では軟式の「大阪ゴールデンファイヤー」でプレー。当時は遊撃と投手を兼任していた。そして中学に進む時に「住吉大和川シニア」で硬球を握るという選択をした。プロで通算1288試合出場、1004安打を放つ礎となった時代だ。「自分にとっては良かったと思います。生半可な練習量じゃなかったですし、体力もついた」。特にヘトヘトになるまで走っていた日々は、プロ野球選手へのレールを敷いてくれたという。
「タイムを切らないと終わらないんですけど、責任を持ってやり切る、毎日限界を超えるという習慣は身についたと思います。食らいつく『根性』にも、大切な部分はあると思うんです」
一方で、少年少女の指導をしていると、別の思いもある。「焦る必要はないと思うんです。慌てて硬式をやる必要はない。固い、痛いものを体で止めろとなると、野球がいやになる子も出ると思うんです」。軟式野球の利点も分かるという。「軟式独特のバウンドとかを柔らかく止めるとなると、動きも固くならない」。