高校が取りたがる選手の理想像 「うまいだけ」はNG…PL出身監督が伝える“リアルな視点”

文:橋本健吾 / Kengo Hashimoto

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PL学園出身・藤田怜監督が重視する「量」…地味な基礎練習が生む効果

 子どもたちには「質より量」を大切にしてほしい――。こう口にするのは、2025年に設立された中学硬式野球チーム「東京小岩ボーイズ」で指揮を執る藤田怜監督だ。非科学的な練習を省き、効率のいい練習を行うことには賛成だが「基礎や体力があるから技術が身につく」と、子どもたちには日々の積み重ねの大切さを説いている。

 藤田監督がこだわるのが「量」だ。「体力のない子どもたちが質だけを求めても、うまくなった気になっているだけ」と断じる。「質も大切ですが、量もやらないと体は覚えられない」。プロや社会人、大学生が質を追求できるのは、圧倒的な量をこなした土台があるからこそ。地味な基礎練習をコツコツ積み重ね、泥臭く「量」をこなす。その先に高校や大学で花開く本物の技術が身につくと信じている。

 練習では素振りや基礎の捕球体勢、体の操作性を養うランニングメニューなどに時間を費やす。打撃やノックなど技術練習は主に午後に行う。ボールを扱う時間が少ないように見えるが「続けて行うことで2、3か月後に変化が出てくる」と、打球速度や飛距離、球速などの数値が一気に上がる選手が続出しているという。

 打撃練習では「木製バット」を常時使用させる。芯で捉える技術が必要な木製を扱えるようになれば、高校で金属バットを持った時に簡単に感じられるからだ。あくまで「先を見据えた」指導を徹底している。

体験会で入部の可否を判断…基準は技術よりも行動力

実体験に基づいたリアルな視点を選手に伝える【写真:橋本健吾】

 指導の根幹にあるのは、PL学園時代に学んだ「人間力」だ。挨拶、目配り、気配り、素直な心。「話をする時は相手の目を見る」「元気よくハキハキ答える」。これらは社会で通用する人間になるための必須条件であり、同時に高校側が重視するポイントでもある。

 高校野球のスカウトが見るのは、ホームランや剛速球だけではない。藤田監督は「野球がうまいだけでは取らない高校も増えている」と、実体験に基づいたリアルな視点を選手に伝えている。グラウンド内だけでなく学校での授業態度や普段の姿も重要になるため、「野球だけがうまい選手にはならないように」と言い聞かせている。

 チーム作りにも明確なポリシーがある。設立間もないチームながら体験会を実施し、1学年を「15人」に限定。選考基準は技術よりも「基本のキャッチボールと行動力」にあるという。15人という人数は、指導者が一人ひとりに目を配り、全員を試合に出して経験を積ませるための“限界値”と考えているからだ。

 今年の春に二期生が入部し、4月から公式戦への出場が可能になる。1、2年生が主体のチームになるが、藤田監督は「3年生を相手にどれだけできるか。勝っても負けても全てがプラスになる。ここから伝統を作っていってほしい。数多くのスポンサー様のご協力もあり、結果で恩返し出来るようにしたい」と期待を込めた。創部2年目の新鋭チームがボーイズリーグに旋風を巻き起こす。

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