酷暑で甲子園4強…青森山田はなぜ躍進? “強い選手”を育む「中学時代の週末」

公開日:2024.09.26

文:片倉尚文 / Naofumi Katakura

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選抜8強、選手権4強…青森山田の躍進に繋がった一貫指導での“遠征慣れ”

 近年、酷暑が続いている日本の夏。小・中・高校生世代では多くの全国大会が真夏に実施されており、選手の健康管理は容易ではない。2021、2022年に全国制覇を成し遂げている中学硬式野球の強豪「青森山田リトルシニア」は、普段から遠征対策に着手しているという。

 青森山田野球部は“中高6年間一貫”で指導。選手はシニアで野球の基本を学び、高校に進む。今年の甲子園で選抜8強、選手権4強と大躍進を遂げた高校野球部の、選手の多くがシニア出身だった。

 選手権では3週間の遠征となったが、選手は最後までパフォーマンスを落とすことなく戦った。シニアを率いる中條純監督は「遠征慣れしていないと(コンディション維持は)難しいと思います」と語る。

 高校で通用する選手育成を主眼に置いている中條監督は、中学生の段階でコンディションを整える重要性を教え込んでいる。その一環として、ハードな遠征を経験させることもある。

遠征で高めるストレス耐性…交代浴での疲労回復も

青森山田リトルシニアの中條純監督【写真:加治屋友輝】

 例えば、金曜日の授業を終えてバス移動。車中泊して土曜日に試合、再び移動して日曜日も試合をこなして、青森に戻るといった日程を組むこともあるそうだ。こうした経験を積むことで選手も“遠征慣れ”していくという。

 しかも、遠征先での試合相手は中学球界で名だたる強豪ばかり。胸を借りて実際に戦うことで、選手の気後れを払拭させるように努めているという。

 宿舎でも工夫を施している。エアコンの温度は26度以下にはせず、起床2時間前にオフになるよう設定する。適度に汗をかくことで、だるさが体に残りにくいという。交代浴も実施。ホテルの複数のバスタブにお湯と水を張り、選手に交互に入らせる。必ず最後はお湯に入って体を温めて、ストレッチを行う。

 中学の段階で食事、体調管理などの意識を高め、ハードな遠征も経験。こうした取り組みが、高校での躍進を生む要因の1つとなっている。“中学高校で同時日本一”を目標の1つに掲げる青森山田。今後の戦いが注目される。

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