青森のチームが酷暑の夏になぜ勝てる? シニアで連続日本一…最大の敵を克服した管理術

エアコンは起床2時間前にオフ、交代浴を実施
青森県の中学硬式チーム「青森山田リトルシニア」は2021年、2022年の日本選手権で連覇。今年も日本選手権で4強入りするなど、ここ数年の躍進は目覚ましい。酷暑の中で試合が続く夏の大舞台。選手はどのようにコンディションを維持しているのだろうか。First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。中條純監督は、「体を慣らす」ための調整法をポイントに挙げた。
2015年からチームを率いる中條純監督は「夏の大会の一番の敵は暑さ。以前は暑さで負けてしまうこともありました」と語る。東北のチームにとって、関東などで多く実施される夏の全国舞台では酷暑が一つの敵になる。そこで、近年は様々な工夫を凝らしている。
まずは、極力早目に大会開催地に入る。「3、4日前には入って暑さに体を慣らすのが理想です」。選手を細かく観察し、練習量の調整、睡眠時間、疲労回復に効果のある食事を摂らせるようにする。
エアコンも調整。起床する2時間前にオフになるよう設定する。適度に汗をかくことで、だるさが体に残りにくいという。さらに交代浴を行う。ホテルの部屋の複数のバスタブにお湯と水を張り、選手に交互に入らせる。1回につき5分で、温冷それぞれ3度浸かる。必ず最後はお湯に入って体を温めたところで、ストレッチを行う。こうした対策を講じてからは、暑さでダウンした選手はほとんどいないという。
教師と監督…2つの“顔”を使い分ける中條監督
日々の活動の中では「教師」と「監督」の“二面性”を明確に分けて子どもたちに接している。42人の部員全員が青森山田中に通い、32歳の中條監督は青森山田中の保健体育教師。「教師」である時は“お兄ちゃん的存在”として選手に接する。
「監督」としては時に厳しさも押し出すことがあるという。「二面性を敢えて出すことで、生徒も『グラウンドではスイッチを入れないといけない』となります。でも学校では砕けた話とか、そういう時間を作る。ただ怒っているだけでは今の時代に合っていないし、子どもたちも耐え切れないと思います」。
叱った選手に対しては必ずフォローし、その理由を説明する。納得できていないようであれば保護者に連絡し、叱った意図などを必ず伝えるという。朝練習に始まって授業、練習、寮生活と“密”な環境で過ごす青森山田シニア。中條監督や八戸征人コーチら首脳陣が、選手一人一人と真摯に向き合っていることも躍進の要因だろう。
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