週末“試合ばかり”の弊害「安定していない」 元プロ懸念…少年野球に不足する基礎体力

元ロッテ・大嶺祐太氏が力説…技術習得の前にまずは体力強化を
野球少年よ、もっと基礎体力をつけよう! ロッテ、中日で投手としてプロ野球生活を16年間送った大嶺祐太氏は現在、球界を離れて都内で飲食店を経営しつつ、定期的に少年野球の指導を行っている。自身の幼少時代と比較して、最近の子どもたちは「基礎体力が足りていない」と分析した。体力不足を補う練習を重点的に取り入れたところ、保護者の練習を見る目も変わってきたという。
自然豊かな石垣島で育った大嶺氏は、自身の少年時代を「これをやっていて良かったということは特にないですけど、とにかくきつい練習をやらされていました」と振り返る。石垣島には対戦相手が少なく、ひたすら練習の日々だったという。
それに対し、首都圏の少年野球はチーム数が多く「土日は秋ぐらいまでほぼ試合が組まれている。練習っていう練習をしていないチームもあるみたいですね」と指摘。実戦経験をより多く積めるというプラスの面はあるものの、投球時に下半身やフォームが安定していない選手が目につき「そもそもの体力が足りない子が凄く多いように感じます」と話す。
体力が不足していると怪我のリスクも高まる。そこで、大嶺氏が指導に取り入れているのがサーキットトレーニング。ジャンプやメディシンボールを持った状態でのランニングで足腰を中心に鍛え、太めのロープを使用しての体幹強化などを取り入れ、秒数を設定して繰り返す。1時間半のレッスン中、1時間近くを費やすこともあるそうだ。
「プロ野球でいえば秋のキャンプをやっているイメージでしょうか。基礎体力を養うサーキットトレーニングを、選手が10人いれば10種目作ります。それを1セットにして、少し休憩して、もう1セット繰り返す。手を抜く子もいるけど、決めた秒数を切れなかったら『はい、もう1回!』とか厳しくやっています」
体力アップ→疲れない→練習量アップ→技術面も上達

体力がアップすると、さまざまな相乗効果が生まれる。「基礎体力を上げれば、もちろん簡単にバテなくなります。疲れないと練習できる時間が長くなる。そうすると今度はより多くの練習をこなせるようになります」。サーキットトレを導入してからは「だいぶ力がついてきたと思います」と感じている。
選手以上に、その様子を見ている保護者も喜んでいるという。「練習を見ていて喜ぶようになりました。そういう練習を今までやったことがないみたいで、試合を見るよりも新鮮みたいです」。以前に比べてたくましさを増している状況を「息子の体力がついて上手になっているのを肌で感じているんでしょう」と説明した。
技術指導より体力強化の時間が長くなっても「あまり何も言われない」と、保護者の理解も日に日に深まっている。技術を身につけるために、まずは体力をつける。体力がつけば、技術習得の機会が増える。そして、さらに持久力や筋力を高めていく。まさに好循環である。
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