球速アップに直結した“他競技挑戦” 元オリ剛腕の土台を形成した少年時代の取り組み

公開日:2025.05.27

文:橋本健吾 / Kengo Hashimoto

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オリックス平井正史2軍投手コーチが子どもたちに推奨する他競技への挑戦

 高校、大学など上のカテゴリーで活躍するには、どんなトレーニングが必要なのか。成長期の子どもたちでも技術、フィジカルなどを学べる時代になったが、オリックスの平井正史2軍投手コーチは「まずは自身の体を扱えるようになること。色々なスポーツに挑戦してほしい」と、アドバイスを送る。

 平井コーチは宇和島東高から、1993年ドラフト1位でオリックスに入団。150キロを超える直球を武器に、2年目の1995年に15勝27セーブと現代野球では考えられない成績を残した。その後は中日に移籍するなどし、通算569試合に登板(45先発)した。

 剛腕の原点は故郷の愛媛での生活にあった。宇和島市の離島・九島で育ち、少年時代はソフトボール、サッカー、水泳、陸上と多くのスポーツを経験。普段の遊びも海・山・川などを駆け巡り、自然と運動能力は高くなったという。

「今の時代では遊べる環境が少なくなり、難しいかもしれません。ですが、子どもの時は色々なスポーツや動きを経験してほしい。野球だけをやるのもいいですが、どうしても偏った動きになります。筋力、重心など体のバランスが良くなれば、上のレベルで野球をやる時に必ず繋がってくる。一番良かったと思うのは水泳でしたね」

土台を作った遠投…最も早く遠くに投げられる感覚を追求

「最も必要なのはバランスとタイミング」と平井氏は語る(写真はイメージ)

 多彩な変化球に直球も150キロ超が当たり前の時代になり、投手のレベルは確実に上がっている。それでも、平井コーチは「投げるのは得意でもフィールディングやショートスローが苦手な選手は増えてきたかもしれない」と感じている。投手なら投げる動作だけに特化していれば問題ないともいえるが「後々、困るのは自分自身かもしれません」と口にする。

 自身は小学生でソフトボール、中学生は軟式野球部でプレー。投手としての土台を作ったのは遠投だった。バランスとタイミングを意識し、最も速く遠くに投げられる感覚を求めた。遠投では助走し、下半身を使うことで球速は一気に上がっていったという。

「単純に球を速くするなら筋力ですが、投手に最も必要なのはバランスとタイミング。普段の練習のなかで覚えられることもあります。ただ、一つ言えることはいきなり球は速くならない。体の使い方が変わり速くなることはありますが、上を目指すなら継続しないといけない。ゲームもそうですよね? うまくなるには何十時間もやらないといけない。それと一緒です」

 投手力向上に近道はない。幼少期から積み重ねてきた努力は将来、自らを助けてくれるはずだ。

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