小柄な体でも「自然と飛距離が伸びる」 小学生にお勧め…タオル1枚で掴む“バットのしなり”

文:間淳 / Jun Aida

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結び目=バットのヘッド…タオルを回して感覚を習得

 タオルの結び目1つに打撃向上のヒントがある。今夏に「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」に出場した山梨県の甲斐JBC(ジュニアベースボールクラブ)は、バットのヘッドを生かしたスイングを大切にする。その感覚を身につけるために使っているのがタオルだ。

“小学生の甲子園”と呼ばれるマクドナルド・トーナメントで今夏、甲斐JBCは強豪の多賀少年野球クラブ(滋賀)に初戦で敗れた。それでも、終盤に粘りを見せて5点を奪うなど、全国でも通用する打力を見せた。

 チームを率いる中込裕貴監督は1番から9番まで相手投手に脅威を与える打線を目指す。「バットのヘッドをうまく使って、バットをしならせる感覚を身に付ければ、体が小さくても打球を遠くに飛ばせます」と全ての選手にフルスイングを勧める。

 飛距離を出すには、ヘッドの重さを利用したスイングが重要になるという。小学生には言葉で説明するだけでは伝わりにくい。そこで、中込監督はタオルを使った練習を勧める。そのまま回すタオルと、一方の先端を結んで回すタオルを比較させ、結び目がある方が加速する感覚を体感させる。手首を柔らかく使ってタオルを回すと、力を入れなくても遠心力でスピードがつく。

 タオルの結び目がバットのヘッドと同様の役割になると伝えると、選手は理想的なスイングをイメージしやすくなる。

「ヘッドが使えるようになるとスイングスピードが上がり、インパクトが強くなって自然と飛距離が伸びます。結び目をつくったタオルを回して、先端の重さを使う感覚を身に付けると、バットのヘッドが走ります。バットが外から遠回りするドアスイングの選手にも有効で、インサイドアウト軌道に修正する練習になります」

子どもたちの将来見据え…体が小さい選手にも勧めるフルスイング

甲斐JBC・中込裕貴監督(右)【写真:橋本健吾】

 体が大きくなかった中込監督は現役時代、足の速さを生かすためにスイングを小さくして内野安打を狙う打撃を求められた。だが、指導者となった今、選手たちには目いっぱいバットを振らせる。

「本塁打や長打を打てた方が打撃はおもしろいですし、私たちのチームは中学、高校でも活躍する選手を育てたいと考えています。小学生でコンパクトなスイングだけを練習して、高校生で体が大きくなったからフルスイングに変えるのは簡単ではありません。逆に小学生でフルスイングしていた選手が高校でシャープな打撃にモデルチェンジする方が対応しやすいと思っています」

 チームを全国に導いたヘッドの重さを覚えるメニュー。タオル1枚あれば、自宅でも飛距離アップのきっかけをつかめる。

【実際の動画】タオルの“結び目”のある・なしでどう変わる? 「バットのヘッドを生かす」感覚を甲斐JBC監督が解説

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