
群馬・高崎中央ポニーは遠投、打球速度などを測定…学年ごとに目標設定
“見える化”が選手の向上心や成長につながっている。今夏の中学硬式野球ポニーリーグ全日本選手権を制した群馬「高崎中央ポニー」の倉俣徹監督が29日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が開催したオンラインイベントに出演。遠投や打球速度などを数値化し、学年ごとに目標を設定する効果を明かした。
イベントに出演した倉俣監督は、「専門体力」を測定する大切さを説いた。専門体力とは基礎体力に野球の要素を加えた体力測定で、基礎体力と野球のパフォーマンスの間に位置付けられ、具体的には「打球速度」「遠投の距離」「塁間走のタイム」などを指す。垂直跳びや1500メートル走といった基礎体力に優れていても、技術が欠けているとパフォーマンスに結びつかないのに対し、専門体力が向上すれば野球の上達につながるという。
チームでは専門体力の数値に目標を定めている。例えば、遠投であれば中学1年生は60メートル、2年生は70メートル、3年生は80メートルを掲げる。遠投の距離を参考にして、肩の強さが求められるセンターラインを中心にポジションを決めていく。倉俣監督は「早い段階で80メートルに届けばレギュラーになれます。チームには投げ方が悪い選手はいないので、体重を増やして筋力アップすれば遠投の距離は1年間で10メートルくらい伸びていきます」と話す。
打球速度は中学生で130キロに到達すると、90メートル先のフェンスを越える打球を飛ばせるデータがあるという。チームでは1年生で110キロ、2年生で120キロ、3年生で130キロを目指す。倉俣監督は「明確な数値目標があると、選手のパフォーマンスアップにつながりやすいです。選手は目標をクリアできているので、高校でレギュラーになる力がつきます」と説明した。チームとして結果を出しながら、指導では個の育成も重視。中学生の段階で土台を固め、高校以降のステージで活躍できる選手を輩出している。

イベントに出演した「関メディベースボール学院ポニー」(兵庫)の井戸伸年総監督も選手の能力を数値化しており、「数値を測ると、選手は自分の現状や課題を把握できます。数字が伸びれば喜びがありますし、数字を伸ばすためにどうやって練習に取り組むのか考えるようになります。日頃の練習から数字にこだわることが大事です」と倉俣監督の考え方に賛同した。野球塾「Perfect Pitch and Swing」の代表を務める長坂秀樹氏も「遠投は球速の目安になります。目安となる球速に届いていない場合は、並進運動やバランスなどに改善点があります。数値化すると課題が浮き彫りになるので、効果的に技術指導できます」と数字を測る重要性を感じている。
結果を出しているチームや選手育成に長けた指導者には、考え方や指導法に共通点がある。5夜連続で開催される「日本一の指導者サミット2025」は31日まで続く。
「日本一の指導者サミット2025」10月31日(金)まで開催中…見逃し配信もあり
Full-Count、First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、10月27日から5夜連続でオンラインイベント「日本一の指導者サミット2025」を開催中。
小学生・中学生の各野球カテゴリーで全国優勝経験がある全11チームの監督を招き、日本一に至るまでの指導方針や独自の練習方法について紹介しています。参加費は無料。見逃し配信もあり。登場チームなどの詳細は以下のページまで。
【日本一の指導者サミット2025・詳細】
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