疲れや違和感を我慢して投げることが怪我に“直結”

 その結果によると、ASMIの勧告にもかかわらず参加者の13.2%が過去1年の間に8か月以上、競技野球の試合に登板し、5.7%が年間を通じて登板していました。また、43.5%が少なくとも1回以上は連日の登板をしており、19%が1日に2試合登板していました。さらに、シーズンをまたいで複数のチームで登板をしていた選手は30.4%。調査した中の10人に1人はチーム内で捕手も兼任していました。そして、3分の1近くの投手(30.6%)が過去1年間に競技として行ったスポーツは野球だけだったと回答しています。ルール改正の進む米国でも完全に浸透させることは難しいようです。

 この研究では「腕が疲れている」と感じる時に投球することが最も怪我につながりやすいことが分かりました。具体的には、腕に疲れを感じながら投球したことがない投手と比較して、腕に疲れを常に感じながら投球する投手は怪我をする確率が7.89倍、腕に疲れを感じながら投げることがたまにある投手は怪我をする確率が3.7倍でした。この論文の著者は、同じ日に2試合以上の投球、連日の投球はすべきでないことを特に訴えています。

 痛い時、違和感がある時に投げない。当たり前のように思えますが、実際の現場では痛いことを監督、コーチ、保護者に言えない子どもがたくさんいるのが現状ではないでしょうか。子どもたちは目の前の試合に出ることや、勝つことに一生懸命で痛みを隠してしまう。そのまま痛みを我慢した先に何があるのか分からない子もいます。まずは気付いてあげること、彼らの将来を考えて一度立ち止まらせることも監督、指導者、保護者としての責務ではないでしょうか。

▼参考文献
※1 Risk-Prone Pitching Activities and Injuries in Youth Baseball: Findings From a National Sample
Am J Sports Med. 2014 Jun;42(6):1456-63. 10.1177/0363546514524699.


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