吉田正尚の人生初本塁打は「ランニングホームラン。柵越えではなかったです(笑)」
少年時代に重ねた「成功体験」が自身を突き動かす。レッドソックスの吉田正尚外野手が、人生で初めて放った“本塁打”は小学2年生だった。3歳上の兄の影響でスタートした少年野球。地元・福井の「麻生津ヤンキース」に所属し、7歳で経験した初本塁打を今でも覚えている。
「うっすらの記憶ですけど、夢中で走ったことは覚えていますよ(笑)。僕の初ホームランは、ランニングホームランです。相手が上級生でしたから、必死に1つでも先の塁を狙って……。その感じで走っていたら、ホームまで辿りついた。ガムシャラに走った記憶がありますね」
豪快なスイングから生まれる高いコンタクト率。これまでのプロ生活で、数々のアーチを描いてきた。30歳になり、メジャーの舞台で活躍する今では想像がつかない“ランニング本塁打”で、吉田の野球人生は幕を開けたのだった。
「初めての『ステージクリア』だったと思います。あの頃、ホームランを打ちたいと思って打席に入っていましたから。柵越えではなかったですけどね(笑)」
吉田にとって、スタンドインの瞬間こそが「打撃の完成」だと表現する。「だからこそ、ホームランを打った日、もしくは自分の納得する打席を送れた時、次のステージに上がっていけている感じがするんです。レベルアップじゃないですけど、また1つステージをクリアした感覚に近いです」。強い打球を放つ“楽しさ”こそが、吉田の原点となっている。