入部半年で小学生の速球を打ち返した“年長生” 真陽少年野球部・前山大夢くんが手にした度胸

公開日:2025.10.26

文:First-Pitch編集部

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誰よりも小さくても「一番の声」を出す、最年少の前山大夢くん

 子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫・真陽少年野球部の前山大夢(ひろむ)くん(年長)です。

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 今春に野球を始めた前山くんは、9月に行われた低学年の試合で初めてグラウンドに立った。以前は頭上に上がる打球に対して「バンザイ」するばかりだったという。しかし、日々の練習を乗り越え今では「フライを捕れるようになった」と自信を持つ。

 また打席では、自分より学年が上の投手が投げた速いボールに、しっかりとバットを当てることができた。野球経験がほとんどなかった前山くんが、試合で通用する一歩を踏み出した瞬間だった。

 牧山智也監督は、前山くんの成長について、技術的な進歩以上に「声」と「度胸」を評価する。春に入部した頃に比べて、グラウンドで発する声の量が劇的に増えたという。体の大きさに関係なく、チームで「一番、小さいのに声を出せるようになった」姿は、彼が野球を通じて「物怖じすることなく」振る舞える、内面的な強さを手に入れた証拠である。

 監督から見ても「元気が一番。声は一番出す、うるさいぐらい」と、その変化は夏の練習を通じて明らかになった。

 目覚ましい成長を見せている一方で、悔しさも募っている。試合に負けることが悔しい、速い打球が捕れない。そうした課題を克服するため、前山くんは日々のキャッチボールを真剣に取り組む。監督やコーチから「ゴロをしっかり捕ること」とアドバイスを受け、練習では意識的に「両手でしっかり捕る」ことを徹底している。また、夏の練習を一度も休まず参加したひたむきさも、自身の成長を支える根幹にある。

 次の目標として、前山くんは「キャッチャーがやりたい」と大きな夢を掲げる。防具をつけて投手が投げるボールを捕ることに、すでに憧れを抱いているようだ。牧山監督は「技術はまだこれから」としながらも、「入った時に比べて発言が変わってきた」と目を細める。技術の完成度よりも、誰よりも大きな声を出し、新しい挑戦に前向きに取り組むその姿勢こそが、彼がきのうの自分を超えた証である。

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