「弟の誕生」で芽生えた責任感 真陽少年野球部・正賀陽士くんが打ち捨てた“がむしゃらな過去”

公開日:2025.10.25

文:First-Pitch編集部

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「身体能力」から「考える力」へ変貌を遂げた捕手の視点

 子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫・真陽少年野球部の正賀陽士(はると)くん(5年)です。

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 正賀くんは、「がむしゃら」という言葉で表現されていた過去の自分を乗り越えた。以前は高い身体能力を頼りにプレーしていたが、9月に行われた「第55回 全神戸軟式少年野球選手権大会」では「捕手として投手をリードできた」と、頭を使った冷静なゲームメークへの変化を口にする。

 打撃でも、以前は力任せだったスイングから脱却し、理にかなった打撃フォームを意識したことで2本のヒットを記録した。3回戦での満塁の場面、緊迫した状況で相手打者を三振に打ち取った配球は、正賀くんがマウンドの投手を落ち着かせ、試合の流れを支配しようとした“知的なプレー”の表れだった。

 牧山智也監督は、正賀くんが技術よりも人間的な面で大きく成長したと感じている。そのきっかけは「弟ができたこと」だった。弟の誕生によって、正賀くんの中に「責任感」が芽生えたという。その責任感は野球にも反映され、周りの状況を判断し、的確にチームメートに指示を出せる司令塔へと変貌した。「身体能力も高かったが、頭を使えるようになった。元々はがむしゃらだったが、周りを見れるようになった」と、監督はその進化を評価する。

 誰からも信頼される捕手を目指していく。練習ではショートバウンドを「後ろに反らさない」よう、常に「体で止める」ことを意識した守備練習に取り組んできた。打撃でも「腰を上げない」「体重が前に行かない」と、体勢を崩されないよう意識し、打撃フォームをチェックしながら地道な努力を続けている。

 牧山監督は選手たちに「謙虚と感謝を忘れないようにしてほしい」と常に口にしている。これは、周りを見られるようになった正賀くんのさらなる成長を促す羅針盤となるだろう。がむしゃらさだけではなく、冷静な判断力と責任感を身につけた5年生は、これからもチームの柱として、冷静に、そして力強くグラウンドで引っ張っていく。

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