
「FIGHTERS LEGENDS野球教室」で講師…金子誠氏は中学軟式出身
中学で硬式を選ぼうと軟式を選ぼうと、選手それぞれに“成長のタイミング”がある。9月14日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた「FIGHTERS LEGENDS野球教室」。中学3年生の軟式野球選手たちに硬式野球の魅力を伝えたファイターズOBの金子誠氏には、自身も中学まで軟式球を握っていたという経験がある。そこからどのように硬式球に対応し、高校野球の名門、そしてプロへの道を切り拓いたのだろうか。
千葉県我孫子市内の中学に通っていた中3の夏は早々に敗退し、高校から声がかかることはなかったという金子氏。それでも、一般クラスで入学した茨城・常総学院高で1年生からレギュラーをつかみ、3度甲子園に出場。硬式野球を始めてわずか3年でプロの世界へ進んだ。
今回の野球教室では、そんな自身の高校入学前の体験を参加者に伝えた。十分な練習環境があったわけではない。高校進学後も野球を続けると決めていたチームメートは数人で、キャッチボールの相手はいない。硬式球を使って壁当てができる場所もなかった。選んだ練習場所は、千葉と茨城の県境を流れる利根川の河川敷だった。
「ボールを3個持っていって。投げて、ダッシュして取りに行って、今度は反対側から投げて、また取りに行って」。一人でひたすら投げては走る。距離は徐々に伸び、やがて河川敷の端から端まで投げられるようになったという。「犬でしょ? 超田舎だったから、散歩している人はもちろん、犬すらいない場所だったんだけどね。あれで体力がついたし、肩も強くなった」と懐かしそうに笑う。
硬式への移行で最も苦労したのは、バッティングだった。「練習する場所がないので、正解が分からなかった」と言う。中学の部活動が終わってから高校入学までの半年間、硬式用のバットを振り続けた。「最初は硬式のバットも重かった。でも、ずっと振っていたら、だんだん軽くなってきたんですよ」。
硬式のバットが振れるようになって迎えた高校生活。最初の1週間ほどで、自分の打撃に手応えを感じた。「俺、バッティングいいじゃん!」。答えが分からないまま、がむしゃらにバットを振ったら、それが正解だった。
硬式の楽しさを新鮮に感じた高校3年間「いくらでも練習してた」

硬式球の重さ、打った感触、捕った時の感覚。硬式野球に触れるほどに楽しさが増していった。「ズッとくる重さが気持ち良くて、いつまでも投げていたかったし、いつまでも打っていたかった。中学まで軟式だったからこそ、硬式の楽しさを新鮮に感じた高校3年間だった。反復練習の苦しさを苦しいとも感じなかった。だから、高校に入ってからの成長曲線が、すごく大きかったんだと思う。放っておいたら、いくらでも練習してたから」。
もし小学生の頃から硬式を続けていたら、高校で同じような感覚になっていたかは分からないという。早い段階から硬式に慣れていたら、自分の力に迷う時期が来ていたかもしれない。だからこそ金子氏は、「成長するタイミングは人それぞれ」だと話す。
「僕の場合はいろんな意味で、中学で軟式だったこともいいタイミングだったのかなと思います。高校で地元を離れたことも、体の成長期と重なったことも」
硬式野球が楽しくてたまらないという気持ちは、プロに入っても変わらなかったという。「いくらでも投げていたかった。打つのは嫌いになっていったけど」。現役時代にはゴールデン・グラブ賞を3度受賞し、通算1627安打を放った。

この日野球教室に参加した中学3年生は、金子氏が高校入学前には経験できなかった環境で硬式球に触れている。かつて河川敷で一人で繰り返していたことを思えば、うらやましい光景に映る。
真剣な表情で汗を流す選手たちに温かい目線を送りながら、金子氏が軟式出身者に贈る言葉はシンプルだ。「ウオーミングアップとキャッチボールをしっかりしましょう」。その先には、金子氏が高校で味わった硬式球を投げる楽しさ、捕る楽しさ、打つ楽しさが待っている。
◎「FIGHTERS LEGENDS野球教室」の詳細はこちら
読んで理解したら、次は動画で習得する
トップレベルの選手が育つ練習法や考え方を、実際の動きでも確認したい方は、First Pitchと連動している野球育成動画サービス「TURNING POINT」(ターニングポイント)をご活用ください。
通常は有料会員向けの指導ドリル第1話を、無料会員向けにも公開中です。さらに無料登録だけで、250本以上の指導・育成動画が見放題。メールアドレス・Google・LINEで30秒ほどで登録できます。
プロ野球選手を育成した指導者や少年野球の現場を熟知する専門家70人以上が、打撃・守備・投球・走塁・体づくりまで、上達につながる練習法を動画で解説しています。
■TURNING POINTの特徴を詳しく見る




