
東海大菅生高校・中等部の軟式野球クラブは30人前後で活動
“少数精鋭”の学校部活動だからこそ、令和の時代に合った野球の指導ができるのかもしれない。東京都あきる野市にある東海大菅生高校・中等部の軟式野球クラブは現在、新3年生と2年生で22人の部員が所属し、新1年生も10人程度の入部が見込まれている。かつて野球部といえば大人数で切磋琢磨する場所というイメージがあったが、2002年から同部を指揮する村上晋監督は「今は30人いれば十分」と語る。そこには、選手の気質の変化に対応した指導の必要性がある。
東海大菅生中等部は、駿台学園中、修徳中、公立の上一色中と並ぶ都内の中学軟式の強豪で、2023年には全国中学校軟式野球大会(全中)でベスト16に進出。今年3月にノーヒットノーランを達成した日本ハムの左腕・細野晴希投手らを輩出している。同部では以前は60人ほどの部員を抱えていた時期もあったというが、村上監督は次のように語る。
「今では少数精鋭、1学年10人程度で十分です。時代の流れで、その方が理にかなっていると思います」
時代の流れと語るのは、少子化うんぬんとは別の理由だ。「昔は試合に出られなくても野球を通して何かを学びたいという子が多かった。今は試合に出られなければ納得できない、我慢のできない“自分ありき”の子が増えていると感じます」と言う。最近、高校野球で頻発しているSNSの不適切利用は、そうした気質の変化の表れではないかと村上監督。くすぶる不満がチーム内での“温度差”となり、トラブルにつながっているリスクを指摘する。
逆にいえば、少人数であれば実戦経験を積ませやすく、モチベーションも維持しやすい。選手一人ひとりと向き合え、保護者との協力体制も築きやすい利点もある。その上で、学校生活を含めて、成長期の中学生を見られる部活動の意義が大きいと村上監督は続ける。
「中学生と毎日毎日、学校生活を送りながら、最低限ここが大事だぞというところを教えられる。それが、学校部活動の利点です。良いところは伸ばし、悪いところは繰り返し伝える。そうした経験を3年間中学校で積んで高校野球に進むのとでは、大きく違ってくると思うんです」
毎日観察していると「今日は筋肉が動いているなと感じる時がある」

精神面だけではない。フィジカル面でも日々観察できるのは中学部活動の利点だ。「中学生って毎日練習を見ていると、『今日は筋肉が動いているな。昨日とは全然違うな』と感じる時があるんです。そういう時は、バッティングでもピッチングでもどんどん練習をやらせます」。
例えばバッティングで観察するのは、振りにいった時に肘と膝がきちんとシンクロし、連動しているかどうか。逆に動きが悪い選手には、練習を控えさせるなどの個別対応をとる。練習にメリハリをつけつつ、怪我を未然に防ぐ意味でも大きい。
「毎日、学校生活をともにできる。性格に応じて個別に話もできる。そうすると選手も絶対に変わってきます」と村上監督。現在、公立部活動では地域移行が進むなど、中学軟式を取り巻く環境は変化しつつあるが、普段の生活や学業も含め、選手と密接に関われて人間的成長も促せる部活動のメリットは大きい。その培ってきた“財産”をどう生かしていくか、今後の野球界全体の課題ともいえそうだ。
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