部員8人の高校が実感…“手打ち野球”は「守備力高まる」 雨天メニューの新選択肢

更新日:2026.03.24

文:喜岡桜 / Sakura Kioka

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守備力向上に効果大…香川・琴平高が練習に導入した「Baseball5」

 雨が降ってグラウンドが使えない日は、どうしても練習メニューが限られる。香川県にある部員8人の琴平高もウエートトレーニングや、ネットに向かってテニスボールを打つなどしかできずにいた。しかし、山本雄一郎監督の提案で3月、部員たちで5人制手打ち野球「Baseball5」に取り組んだ。一般の野球と比べて場所をとらず、室内でできて道具はボールだけ。「守備は養われると思います」と指揮官は語る。

 琴平は2018年夏の香川大会で8強入りしたが、翌春には連合チームに。その後は“助っ人”を借りて単独出場するも初戦敗退が続いた。しかし、2024年春に坂出工を10-4で破り、6年ぶりに白星を掴んだ。2013年夏に母校の丸亀高を13年ぶりの甲子園へ導いた山本監督の下、組織づくりを見直し、練習に工夫を施すことで手にした1勝だった。

 部員数が慢性的に少ないことから、晴天時でも「練習メニューが限られるんです」。クラスの業務や病気など、さまざまな理由で部員が全員そろわない日がある。しかし、5人制のBaseball5を取り入れたことで、昨夏に引退した先輩に参加してもらえれば“実戦練習”が可能になった。

 野球を原型として2017年に世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が考案した新競技は、「高校生にとってはかっこいいみたい。楽しんでいましたよ」と山本監督。専用のボールや設備はなく、雨天時に使っているテニスボールを手のひらで打つという。

Baseball5は「出足も捕ってからの速さもすごく良くなります」

今春卒業した3年生たちもBaseball5効果を実感した【写真:喜岡桜】

 今春に卒業したOB部員は、Baseball5について「面白かった」と口をそろえる。4月から家業の農家を継いでレタスなどを栽培する水野佑紀・元主将は、塁間距離が13メートルと短いため、走者をアウトにするには瞬時の判断力やスピーディーな動きが必要だとし、継続して取り組むことで「守りの集中力が高められる」と説明した。

 3月21日にレクザムスタジアム(高松市)で行われた春季香川大会の初戦に、助っ人2人を含む10人で臨んだ琴平は、高松商に5回コールドの0-10で敗れたが、守備にはスピード感があった。4月から観音寺総合へ異動する山本監督も「怪我などで本来のポジションではない子が多い中、練習の成果が出た試合でした。褒めてやりたいです」と称えた。

 Baseball5を取り入れた効果について、「何度もしたわけではないので、お答えできない」としながらも、上達への手応えは感じられたようだ。

「出足も捕ってからの速さもすごく良くなります。Baseball5にはキャッチャーがいないので、ピッチャーは投げたらすぐにホームへ行くとか、ベースカバーや気を利かせて動くという点でも非常に良いと思います」。雨天時に室内でできるため「高校野球をする人間にとっても、良い練習方法の1つですね」と頷いた。

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