軟式→硬式移行時の“失敗リスク” 距離、重さ、人間関係…球質低下を招く意外な原因

硬式野球に挑戦する中学生へ…投球やキャッチボール、スローイングでの注意点

 学童野球でプレーしてきた小学生の中には、中学から硬式に挑戦する選手もいることだろう。しかし、軟式から硬式への移行期は、ボールの重さや距離の変化が肩肘への負担を増やし、怪我のリスクを高める時期でもある。中学硬式野球の現場の指導者の声から、段階的に環境へ慣れさせていく方法を確認したい。

・距離が延びるマウンドで、肩肘を痛める要因とは何か。
・硬式球による手投げを修正し、安定した送球を作る方法は何か。
・新しい環境での焦りを抑え、安全に成長を促す優先順位はどこか。

 巨人の「ジャイアンツ U15 ジュニアユース」(多摩川ボーイズ)で投手コーチを務める林卓史さんは、質の良い真っすぐを目指す重要性を語る。マウンドと本塁間の距離が16メートル以下から18.44メートルに延びることで、本塁まで届かせようと力んでしまう選手も少なくない。また、中学生になると変化球を投げたがる子も多いが、変化球の多投はストレートの質を下げ、肩肘への負担も大きい。まずは回転効率(ボールの回転の質)の高い速球を磨いていくことで、強く投げずとも自然に本塁との距離にも対応できるようになると語っている。

 米国式育成が特徴の「兵庫フロッグスポニー」の妹尾克哉監督は、軟式から硬式へ移行する際、腕の力に頼る“手投げ”が怪我の原因になると指摘している。硬式球の重さに対応するためには、体全体を使ったスローイングが欠かせない。推奨するのは、体を斜めに向け、胸郭を十分にねじった状態から回転させるドリル。投げる方向に背中が向くほど回し切ることで、リリースが自然と頭の後ろから行われ、肘抜けや引っ掛けによる悪送球を防ぎやすくなるという。

 愛知「東海中央ボーイズ」の竹脇賢二監督は、半年間という長い時間をかけて選手を環境に慣れさせる順番の大切さを説く。投本間の距離が延び、バットも重くなるため、最初から完璧にこなすのは難しい。竹脇監督は、キャッチボールでもいきなり塁間以上は投げさせず、近い距離での正確な返球を繰り返すことを重視している。また、人間関係に慣れない中では、集中力が途切れた際に事故や怪我が起こりやすいため、指導者が適度な緊張感を演出することで、選手の安全を守りつつ着実な成長を促している。

 選手の将来のためにも焦りは禁物。段階を踏んだ育成こそが、安定した成長をもたらす。指導者も選手も急ぐことなく、基礎を作るところから次の一歩へ繋げたい。

・投本間の距離の変化には、ストレートの質向上を意識し、変化球多投にも注意する。
・硬式球の重さに対応するために、胸郭を深くねじり、全身を使って投げる練習をする。
・半年間ほどの慣らし期間を設け、キャッチボールも距離を制限して正確な返球を意識させる。

中学野球の名指導者も参加…無料登録で指導・育成動画250本以上が見放題

 東海中央ボーイズの竹脇賢二監督も参加する野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも250本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、小・中学生の育成年代を熟知する指導者や、元プロ野球選手、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした、合理的かつ確実に上達する独自の練習法・考え方を紹介しています。

■専門家70人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

■TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード