
今年の全国大会で優勝した星稜中の五田監督、作新学院中の増渕監督が登場
中学軟式野球界をリードする強豪チームの監督たちには、中高6年間にわたる“育成戦略”がある。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が27日、全国制覇チームの指導が学べる5夜連続のオンラインイベント「日本一の指導者サミット2025」を開催し、中学軟式で全国制覇11回を誇る星稜中(石川)の五田祐也監督と、今夏初の全国優勝を果たした作新学院中(栃木)の増渕洋介監督が登場。いずれも高校野球の名門校を母体とする一貫校で、近年は内部進学した卒業生たちが高校でも活躍している、その育成論に迫った。
両チームは今年、春夏と2季連続で全国大会決勝で戦い、互いが認め合うライバル。両監督が掲げる選手育成のポイントは中学、高校を合わせた“6か年育成”だ。「高校が欲しがる選手」をテーマとし、プレーの技術はもちろんだが、リーダーシップなど人間性も評価される育成を心掛けている。
作新学院中では選手に自覚と責任を持たすためキャプテン、副キャプテン以外に投手リーダー、守備リーダー、走塁、守備、道具など計11部門の役職を選手が担っている。沢山の役割を与える意図として増渕監督は「主体性を引き出すために、こちらが信頼して権限や責任を与える。リーダーを育成しないことには主体性は育まれてこない。そこが一番大切だと思って始めました」と語る。
中学生らしく様々な発想が生まれることで、自分たちでチームを作り上げていく意識が醸成される。増渕監督も「私からはあまり指示することはありません。裏ではもちろんコントロールしていますが、基本は任せている」と語るほど。選手たちの本気度が高ければ高いほど、チームのレベルも上がっていくという。役職は個々の性格などを見ながら監督が指名していく。
星稜中は夏の大会で引退した3年生は硬式球で練習し練習試合も行う

星稜中では部員の3分の2が高等部に進学するという。3年生は夏の大会が終わると硬式球を使用して練習を行う。中学ではレギュラーになれなかった子も、高校生で一気に成長する可能性は大いにある。五田監督も「8月に引退して高校に入るまでの、この時期が大切。子どもたちは一番、目の色を変えて練習するので凄く成長する」と語り、高校入学までの期間を大切にしている。
引退した3年生たちは高校野球に対応できるように、地元のシニアやボーイズなど硬式クラブチームと練習試合をこなし実戦感覚も養っていくという。
五田監督は選手たちに向け中学、高校の計6年間で「高校野球を2回やる」という意識を持たせながら、日々の練習に取り組むよう指示している。指導者たちの繋がりも深く、中高のスタッフ同士でミーティングを行い「試合の戦術や選手のメンタル面なども共有している」と、密に連絡を取り合い情報交換を行っている。
選手たちが成長するために必要なポイントとして増渕監督は「これをやれば上手くなるというよりは、日々の積み重ねが大事。できることを無駄なく120パーセントの努力の積み重ね」。五田監督は「長い時間練習するよりは、物足りないぐらいの方が、自発的に練習もやっていくかもしれない」とアドバイスを送っていた。上のレベルでも通用する育成論などを語り合う「日本一の指導者サミット2025」は31日まで開催される。
「日本一の指導者サミット2025」10月31日(金)まで開催中…見逃し配信もあり
Full-Count、First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、10月27日から5夜連続でオンラインイベント「日本一の指導者サミット2025」を開催中。
小学生・中学生の各野球カテゴリーで全国優勝経験がある全11チームの監督を招き、日本一に至るまでの指導方針や独自の練習方法について紹介しています。参加費は無料。見逃し配信もあり。登場チームなどの詳細は以下のページまで。
【日本一の指導者サミット2025・詳細】
【参加はTURNING POINTの無料登録から】




