「打撃でタイミングが取れない」…解決策は? 大阪桐蔭OB推奨、安打の確率上げる3ドリル

更新日:2025.12.01

文:水本弦 / Gen Mizumoto

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野球塾で小・中学生を指導…水本弦氏のタイミングを合わせる練習法

 打撃はタイミングが全て――。そう言い切れるほど、野球塾を運営する大阪桐蔭元主将の水本弦さんはタイミングに重点を置いて指導しているという。練習の成果が試合で表れずに苦労している小・中学生には、3つのドリルを勧めている。【記事下の動画を参照】

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 打席で結果を残せるかどうか。その命運を左右するのは、全てタイミングにかかっていると私は考えています。最近はSNSで様々な打撃ドリルが紹介されていますが、タイミングが合っていることが前提の内容が大半です。素振りやティー打撃のように、自分の好きなタイミングでスイングできる練習でイメージ通りにバットを振れても、投球にタイミングが合わなければ安打になる確率は下がってしまいます。

 タイミングを合わせる上で大事なのは、「空間認識能力」です。これは、空間にある物の位置や速さを素早く正確に捉える能力を指します。打者は投球がどれくらいのスピードで、どの高さとコースに来るのかを判断してバットを振ります。タイミング次第で、打球の飛距離が変わってくるわけです。

 私が野球塾で小・中学生に勧めている1つ目のドリルは、見た目が非常にシンプルです。2人組になって、1人は打者、もう1人のパートナーはボールをトスするサポート役です。打者はパートナーがボールを放った瞬間に前足(右打者なら左足)を上げて、ボールが地面に落ちるタイミングに合わせて足を地面につきます。内容は、これだけです。ただ、トスは同じ軌道だけではなく、山なりのボールや速く落ちるボールも混ぜます。どんなスピードのトスにも、着地のタイミングを合わせます。

 打撃は始動からインパクトまでイメージ通り投球に合わせることが理想ですが、投手は打者のタイミングやバットの芯を外して打ち取ろうとします。打者がタイミングを合わせるのは簡単ではありません。変化球やクイックでタイミングを崩されても、形をできるだけ維持する必要があります。

 そこで、このドリルが生きてきます。注意点は前足を上げた時に、後ろ足の小指に体重を乗せないことです。親指に力を入れることで前足への体重移動がスムーズになり、タイミングを崩されても後ろ足で我慢できます。安打の確率を上げるには、タイミングを崩された時の対応力が大切です。

タイミングを崩されても安打にするドリル

打撃指導をする水本弦氏(左)【写真:本人提供】

 2つ目は、目印を使ったティー打撃です。捕手が構える位置辺りの地面にボールなどの目印を置き、ティー打撃をするメニューで、スイングした後に目印のボールを見ます。タイミングを崩される時の典型的なエラー動作に“体の開き”がありますが、目印を見る意識でスイングすると、体の開きが抑えられ、理想的な打撃フォームに不可欠な側屈(体幹を傾ける動き)も自然と覚えられます。

 3つ目のドリルは、体重が後ろ足に残ってしまう選手や、前足で壁を上手くつくれない選手に取り入れてほしいティー打撃です。後ろ足はつま先で立ち、前足に全ての体重をかけて少し膝を曲げた形で構えます。前足側のお尻に感じる“突っ張り”が、打撃で重要な“壁”になります。その構えから、テークバックを深く取って、前足に体重を乗せたままノーステップで5~10球連続でティー打撃します。2つ目と3つ目のドリルでは、フォロースルーを片手にするようにしてください。

 このドリルには、開いた足の位置が同じでも、重心の位置によってバットが届く範囲は大きく変わることを知る狙いがあります。体重が後ろ足に残っている時よりも前足に乗っている時の方が、投手寄りの投球をバットで拾いやすくなります。変化球で泳がされても体の前でさばいて安打にする技術を身に付けられます。

 安打の確率を上げるには、スイングの強さや速さを高める練習は必要です。しかし、投球にタイミングを合わせられなければ、その練習が試合での結果につながりにくくなってしまいます。

【実際の動画】崩されても打てる! 「タイミング合わせ」「顔残しティー」「体重移動」の3ドリルを大阪桐蔭元主将2人が実演

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