
兵庫No.1決定戦で2年連続の好成績…阪神・才木を育てた「枝吉パワーズ」監督の育成論
学童野球は将来を見据え、社会に出るための基礎作りの場――。今年8月に行われた兵庫No.1を決める「神明あかふじ米・第37回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」(以下あかふじ米大会)で準優勝を果たした「枝吉パワーズ」。阪神・才木浩人投手を送り出したことでも有名で、チームは中学や高校で活躍する選手育成を大切にしている。
枝吉パワーズは昨年、学童野球の主要大会「高野山旗全国学童軟式野球大会」でベスト8、さらに、あかふじ米大会で優勝を飾るなど兵庫を代表する強豪チーム。2023年から指揮を執る武村孝幸監督は、大産大高大東校舎(現大阪桐蔭)、亜細亜大でプレーするなど“昭和野球”を経験した指導者だ。
武村監督の現役時代は理不尽な上下関係、罵声・怒声、鉄拳制裁も当たり前で、根拠のない猛練習でしのぎを削ってきた。だが、時代は令和へと移り変わり、理論や技術が明確化され、簡単に情報を得ることも可能となった。武村監督は「過去の経験や体験」にこだわらず、アップデートしながら子どもたちの将来を考えた指導を行っている。
指導の中でも大切しているのが「基礎練習」。守備ならキャッチボール、手ゴロ捕球、打撃ではトスバッティングやバントにも時間を割く。指揮官は「いきなり応用からはスタートしません。野球は常にボールを追いかける“動のスポーツ”なので、基礎ができていないと動きのなかでプレーするのは難しい」と指摘する。
学童野球ではバントに否定的な声もあるが「バントは戦術だけではありません」と語り、打撃向上には必要な練習になるという。長くボールを見て引きつける感覚を養い、ストライクゾーンの見極めも身につく。ミートポイントの確認にもなり「バントができるから技術にも繋がる。上のカテゴリーに行けば必ず必要になるスキルだと思っています」と、バント練習の必要性を口にする。

小学生たちが楽しく野球を続けられる環境作りは、チーム創設者から続く伝統だ。1978年にチームを立ち上げた山本富翁氏が昨年亡くなり、その思いを受け継ぐ武村監督は「野球もそうですが、社会に出るための基礎作り。代々受け継がれている目的意識の高さは必ず将来活きてくる」と力を込める。
チームは1978年に創部され、今年で47年目を迎えた。武村監督は伝統あるチームから巣立った選手たちが、野球を通して学び、社会で活躍する姿を心から願っている。
少年野球の現場を熟知するコーチが参加…無料登録で指導・育成動画250本以上が見放題
野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも250本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、小・中学生の育成年代を熟知する指導者や、元プロ野球選手、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした、合理的かつ確実に上達する独自の練習法・考え方を紹介しています。
■専門家70人以上が参戦「TURNING POINT」とは?
■TURNING POINTへの無料登録はこちら




