
バットが体から離れて遠回り…悪癖の直し方を3人の専門家が紹介
少年野球のバッティングにおいて、よく課題に挙がるのが、バットが体から離れて遠回りしてしまうスイングだ。この癖は、中学以降は変化球への対応を難しくするだけでなく、力のないゴロの凡打を増やす原因にもなる。課題を解決する鍵は、体の内側からバットを出す「インサイドアウト」のスイング軌道。専門家の知見を基に、簡単にできるドリルを紹介しよう。
・変化球に対応し、力強い打球を打つための体の使い方とは。
・飛距離を出そうとして、逆に打てなくなってしまうスイングの誤解とは。
・バットが遠回りする癖を、誰でも簡単に直せる練習法とは。
オリックス・杉本裕太郎外野手らプロ野球選手を30人以上指導してきたトレーナーの高島誠さんは、中学野球で対戦する変化球に対応するには、早い段階でインサイドアウトの軌道を習得することが欠かせないと指摘。手先でバットを操作するのではなく、胸や背中といった「胸郭」を使って打つことが大切だと述べている。胸郭が硬いと手打ちになりやすいため、その柔軟性を引き出す練習が大切。そこで推奨するのが、約120センチの棒を両手で抱え、腕を使わずに体幹のひねりだけでボールを打つ「正面ティー」だ。これにより、自然と内からバットが出る体の使い方を覚えることができる。
元ヤクルトで現在、少年野球を指導する松井淳さんは、多くの子どもが飛距離を意識するあまり、バットを下からしゃくり上げるように振っている点を懸念。バットが遠回りする原因となり、速い球への対応を困難にするからだ。松井さんが理想とするのは「上から入って、インパクトの瞬間にヘッドが下がる」スイング軌道。捕手側の肘(右打者なら右肘)をへその前に持ってくる動きが重要になるといい、お勧めする練習法が、背中側(右打者なら三塁方向)からトスされたボールをセンターから右中間方向に打ち返すティー打撃だ。最初は難しく感じるが、自然とインサイドアウトの軌道が身につくという。
元U-18高校日本代表の八代和真さんは、ゴロの凡打が多くなる原因を「バットの芯が体から離れてしまうこと」だと指摘。遠回りするスイングを修正する簡単な方法として、「肩乗せスイング」を挙げる。これは、スイングを始める際に、バットを肩(右打者なら右肩)から離さず、体に沿わせるようにして振る練習だ。グリップが前に出てもヘッドが後ろに残るため、体の内側からバットを出すイメージを掴みやすいという。ただし、窮屈なスイングにならないよう、インパクト後はバットの芯を前に大きく走らせることが大切になると述べている。
紹介した3人の専門家は、共通してインサイドアウトのスイング軌道の重要性を述べている。力任せに振るのではなく、正しい体の使い方を理解し、自分の課題に合った練習を反復する。遠回りする癖を直し、あらゆるボールに対応できる「点ではなく線で捉える」スイングを身につけたい。
・手打ちを改め、胸郭を使って体の内側からバットを出すスイングを身につける。
・しゃくり上げるスイングは誤解であり、捕手側の肘を体の正面に運び、内側からバットを入れる意識を持つ。
・肩にバットを乗せて体から離さないように振る「肩乗せスイング」で、正しい軌道を覚える。
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