インナーマッスルや体幹を強化する「プランク」

 その他に勧めるのは「プランク」と呼ばれるトレーニング。インナーマッスルや体幹を強化するメニューだ。腕立て伏せの格好で両腕と肘は地面につける。この時に腰が反らないように、頭からお尻までを一直線にする。簡単そうに見えるが、正しい姿勢をキープするのは30秒でも大変だ。

 青山さんは「体幹を強くして、上半身と下半身のつなぎ目を強化しないと連動しません。インナーマッスルや体幹の強化は球速アップや怪我の予防につながると思います」とトレーニングの狙いを説明する。ゴムのチューブを使い、時間をかけて大きい筋肉の中にある細かい筋肉を鍛える大切さも強調する。

 次に、多くのチームの練習メニューに入っているダッシュ。短距離は瞬発力を高め、中距離は脚力だけではなく、体幹の強化にもなるという。短距離はスピードが決まる最初の5歩への意識を強く持つ。160~180メートルの中距離ダッシュで心がけるのは、広いストライドで一定のスピードを保つこと。頭の位置も動かないようにする。

 どんなトレーニングをする時も大事なのは、どの筋肉を鍛えているのか把握すること。青山さんは「筋肉の名前を覚えると、鍛える時の意識が変わります。自分の体に興味を持つようにしてほしいですね」と語る。例えば、肩や肘を怪我した時、どの筋肉を強化するのか理解していると同じリハビリやトレーニングでも効果に差が出る。特別な器具や設備がなくても、技術を高め、怪我を防ぐ方法がある。

(間淳 / Jun Aida)

トレンドワード