「僕のエラーで負けた」 書くことで乗り越えた“昨日の自分” 千葉「ASAI KIDS☆UNITED」中西奏太くんが抱く夢

公開日:2025.11.15

文:First-Pitch編集部

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日々の反省を記した野球ノートと副主将の自覚

 子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は千葉・東金市の「ASAI KIDS☆UNITED」(アサイキッズ・ユナイテッド)の中堅手兼投手で、副キャプテンを務める中西奏太くん(5年)です。

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 投手力、打撃力ともに高い能力を持ち合わせているのは、周囲も認めるところ。以前は、やや注意力に欠けるところが大事な局面での守備・走塁ミスに繋がることが課題だったが、今は違う。先日、格上となる6年生の試合に急遽中継ぎで登板すると、3イニングを無失点に抑える好投を披露。奏太くんはプレーで、そして姿勢でチームを牽引する存在へと変わりつつある。

 最大の試練は、夏前の5年生大会予選決勝だった。「最後、僕のエラーで負けたんです」。課題としていたことがチームの結果に直結し、悔し涙を流した。しかしこの敗戦が、奏太くんの「昨日」と「今日」を分ける分岐点となった。

 野口孝之介監督は、敗戦を機に奏太くんを副キャプテンに任命した。コミュニケーション能力が高いものの、時にそれが注意力散漫さにも繋がっているとも感じていたからだ。「練習中から自らの行動で引っ張ること」「全体を見て声かけができること」「チームの一体感を常に考えて行動すること」。重責を与えたことが、奏太くんの視野を広げた。

 奏太くん自身も、悔しさを乗り越える努力をした。例えば「書く」こと。練習がある週末の終わりに、野球ノートを開く。「悔しいこと、どこが悪かったか、良かったかというところを書いて、それを振り返って練習するようにしています」。言語化し、反省し、自分の弱さと向き合う。地道な継続が、「ピッチングが思い切って投げられ、バッティングも打率が上がってきた」というプレーの安定感につながっている。

 野口監督も、その成長ぶりに目を細める。「少しずつ試合での結果も変わってきています」。冒頭の緊急登板も、中西くんにあえて課したチャレンジだったと明かす。もともと能力が高いからこそ、技術練習を抑えてでも「全体を見る力、引っ張る力、自ら発信する力」を伸ばす機会を優先した。学童野球で身につける内面的な強さが、未来の糧になると信じているからだ。

 小学2年で野球を始めたのは、高校野球で活躍した兄たちに憧れたのがきっかけだ。今も家族に支えられて自主練にも励んでいる奏太くんには、心に抱く夢がある。

「兄ちゃんを超えられる選手になりたいです」

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