「教えてください」から始まった“奇跡” 谷田部ジュニアスターズ・浦野凌輝くんが代打タイムリーを放つまで

ノーブルホームカップで決勝Tに出場、緊張を乗り越え伝えた「打ちたい」気持ち
First-Pitchでは、子どもたちの”がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」を始めました。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。8月2日に行われた茨城・ノーブルホームカップ決勝トーナメントに出場していた谷田部ジュニアスターズの浦野凌輝くんを紹介します。
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浦野くんが野球を本格的に始めたのは、6年生になる少し前のこと。村下峰夫監督が「去年の秋口かな、本当にキャッチボールできないぐらいで入ってきて」と振り返るほどのスタートだった。だが、そんな彼が先日、代打で登場すると見事な2点タイムリーを放った。チームに貢献する一打は、彼が過ごしてきた時間と、内面の大きな変化の証明だった。
周りは低学年からプレーする仲間ばかり。「みんな上手いなと思って、追いつきたいなと思いました」。その一心で練習に励む中、悔しい記憶が胸に刻まれる。スタメンで起用された試合で、結果を残すことができなかったのだ。この経験が、浦野くんの心に火をつけた。彼は緊張しながらも、自らの足で監督の元へ向かい、個人的に指導を願い出た。「教えてください」と、ただ一言、伝えた。
「打ちたかったからです」
その真っすぐな思いが、成長への扉を開いた。村下監督は、浦野くんの変化の起点を、まさにこの瞬間だったと見ている。大人がいくら言葉を尽くしても、本人の心に響かなければ変化は生まれない。「本人が自らが、私の方に来て、個別指導をお願いしにきてからですね。自分がやっぱり出たい、やりたいっていう気持ちに初めてなって、そこから上がってきたと思います」。受け身の姿勢から、主体的に学びを求める姿勢への転換だった。
監督からは、打席での「構え」と「タイミング」について、そして「右足をボールにぶつけるように力を乗せる」という具体的な助言を受けた。教わったことを素直に吸収し、自宅でも自主練習に励んだ。基礎を徹底し、エラーをしないと誓った守備も上達した。
かつて遠い背中を追いかけていた少年は、今、確かな成長を実感している。次に見据えるのは「走塁」。浦野くんの成長のスコアブックには、これからも新たな一歩が刻まれていく。
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