中学軟式の“衰退”で「野球界は終わる」 競技人口減に危機感…硬式強豪が描く共存共栄

文:片倉尚文 / Naofumi Katakura

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昨年12月に発足した「高崎中央GIANTS軟式野球クラブ」

 中学硬式野球の強豪「高崎中央ポニー」は昨年12月、軟式野球のクラブチーム「高崎中央GIANTS軟式野球クラブ」を発足させた。競技人口減少が著しい中学軟式野球。このまま減少が続けば野球界全体が衰退しかねないという危機感からチームを立ち上げたという。

 全日本野球協会によると、中学軟式野球の競技人口は12万9000人。2007年の30万5000人から大幅に減っている。中学の部活動は現在、学校単位から地域への移行がなされているが、指導者不足もありなかなか進んでいない。そんな現状に危機感を抱き、高崎中央は軟式クラブチームを設立した。部員数は1年生12人。中学軟式チームの平均部員数は3学年で17人前後というから、人気のほどがうかがえる。

 高崎中央の総監督兼トップチーム監督は、巨人の野球振興部長を務める倉俣徹氏。中体連と協力し、アカデミー講師を派遣して野球教室を実施するなど軟式支援に尽力している。「甲子園やプロは目指さないけれど、野球を楽しみたい子どもたちがプレーできる環境を作らないといけません」と力を込める。

 中学硬式人口は約5万3000人。2007年の約4万3000人から微増しているが、グラウンド不足などから増えることは考えにくいという。今後は軟式人口を20万人程度にまで盛り返したいとプランを描く。「軟式人口を16万人に増やし、硬式と合わせて20万~21万人体制を維持できれば、野球が国民的スポーツであり続けると思います」と語る。

 実現させるには指導者の確保が必要になる。「ボランティアでは限界があります。予算を組んで指導者を育てるプロジェクトを立ち上げないとダメだと思います。そういう流れにしないと野球界は終わってしまうと感じています」とも訴えた。

 高崎中央はボーイズ時代の2021年春の全国大会で準優勝、2023年の全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップで4強に進出。昨年夏に移籍したポニーでも目覚ましい成績を残しており、今月18日に開幕する「マルハングループインビテーション 大倉カップ 第51回全日本選手権大会」には3チームを編成して出場する。高崎中央の“指導メソッド”を学んだ指導者が軟式野球に転じて、どんなチームを作り上げていくのか、注目される。

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