三振もエラーも「怒らない」けど…強豪シニアが徹底させる“走攻守のルール”とは

公開日:2022.05.11

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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静岡県の「静岡裾野シニア」は2度の全国制覇を果たす

 全国制覇の経験もある中学硬式野球チーム「静岡裾野リトルシニア」には、走攻守で「やってはいけないルール」がある。どれも決して難しいプレーではなく、意識の変化で改善できる。基本的なルールの徹底に強さの理由がある。

 怒声や罵声がないのは言うまでもない。静岡・裾野市にある「静岡裾野リトルシニア」の練習は、緊張感や厳しさを感じる一方で、選手の笑顔や活気もある。野球離れが叫ばれる中でも選手が80人を超え、毎年のように全国大会に出場しているのは、時代の変化に合わせようとするチーム方針の表れでもある。

 今年1月にヘッドコーチから“昇格”した佐藤裕徳監督は「あまり選手を注意することはありません。三振もエラーも怒りませんから」と言う。厳しく伝えるのは、選手が礼儀を欠いた時と、チームのルールを逸脱した時。走攻守のそれぞれに「やってはいけないルール」がある。

 走塁では「後ろの走者はアウトになってはいけない」というルールがある。例えば1死満塁から打者がライナーを放った時、一塁と二塁の走者は飛び出してアウトにならないようにする。

 佐藤監督は「三塁走者が前に進みたくてアウトになってしまうのは仕方ありません。ただ、一塁と二塁の走者はどんなに頑張っても、前の走者が進まないと次の塁に進めません。相手へ楽にアウトをあげないように、状況を正確に判断する必要があります」と理由を説明する。

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