投手の“指先や腕”重視は逆効果 元阪神右腕が推奨…パフォーマンス高める「お腹の深部」

独立L・香川の春季キャンプで臨時コーチを務めた元阪神・秋山拓巳氏
“お腹の深部”を鍛えるとブレにくい体幹を手に入れられ、パフォーマンス向上に繋がる。阪神で通算49勝を挙げた秋山拓巳氏が2月4日から3日間、独立リーグ・四国アイランドリーグplus「香川オリーブガイナーズ」の春季キャンプで臨時コーチを務めた。同氏は腹部のインナーマッスルを強化するトレーニング「ドローイン」を選手に伝授した。
西条高(愛媛)から2009年ドラフト4位で阪神に指名された秋山氏は、入団1年目の2010年から活躍。優勝争い真っただ中の8月21日、球団史上初めて高卒1年目で巨人戦の先発を任され、2度の先発だった8月28日のヤクルト戦で1軍初勝利を挙げるなど4勝を挙げた。順風満帆なスタートを切ったものの、その後は怪我に悩まされ、「ブレークするまでに7年かかりましたからね」と唇をかむ。
その間に身につけた知識を生かし、ブルペンでの投球指導だけでなく、さまざまなトレーニング方法を香川の投手陣へ落とし込んだ。その中には若手投手たちが知らないメニューもあった。腹部のインナーマッスルを強化する「ドローイン」だ。
仰向けの姿勢で膝を90度に立て、リラックスした状態から開始する。「腰の下に手を入れてみて。地面のあいだに隙間が空いているでしょ。くっついているとヘルニアになったり腰が痛むからね」と呼びかけた秋山氏は、次のように指導を続けた。
「お腹に力を入れて(腰の下に置いた)手を潰してください。大きく息を吸って、しっかり吐きながらお腹をへこませていくと潰れます。きついよね。これがドローインです。その状態を30秒キープしよう」
お腹の最深部を強化…パフォーマンス向上、怪我防止に大きな効果

このトレーニングは、お腹の最深部にある腹横筋を鍛えられ、体幹を強化できるだけでなく、腰椎や骨盤が安定する効果も得られることから、パフォーマンス向上や怪我防止に繋がるといわれている。地面と背中の間に置いた手が、深い腹式呼吸によって背中でしっかり潰されていれば、正しくトレーニングできていると判断していい。
腹部をしっかり沈められるようになれば、その体勢をキープしたまま上体を起こし、両手で膝やつま先をタッチするなど腹部を捻じることで、体幹をより強化できる。取り組んだ香川の選手たちは、悲鳴をあげながら応用メニューをやり切っていた。
秋山氏は指導後、「若いうちは指先とか腕とか、体の中心から離れたところを意識しがちでした」と振り返った。だが、「そういうところって思うようにコントロールするのが難しいんです」と語り、「うまくいかない7年間にいろいろな考え方などを研究していくうちに、だんだん中心部を大切にするようになりました」と続けた。
ブレークまでの下積み期間は決して無駄ではなかった。2016年に考えを改めると、2017年には自己最多の25試合に登板し、12勝をマーク。与四球数16は規定投球回に達した両リーグの投手で最少だった。
オールスターにも初選出されるなどキャリアハイの成績を残した要因は、体幹や最も大きな筋肉がある臀部など体の中心を強化したことだった。2024年までNPBで15年プレーした右腕は、苦労して得た知識や経験を惜しげもなく次世代の選手に伝えていた。
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