2年半で136→152キロに球速アップ ベンチ外からドラフト候補へ…準硬式で飛躍できたワケ

更新日:2025.11.27

文:喜岡桜 / Sakura Kioka

XFacebookLineHatena

準硬式の世界で飛躍…最速152キロの剛腕、日大・竹川葉流投手

 高校時代は、甲子園は雲の上の場所だった。でも今は、プロの世界も夢ではなくなってきている。21日、阪神甲子園球場を舞台に開催された大学準硬式野球の大会「東西対抗日本一決定戦甲子園大会」で、最速152キロ右腕・竹川葉流(はる)投手(日大・3年)が東日本選抜のメンバーとしてマウンドに立った。“球速が出にくい”準硬式のボールで、入学時に140キロにも満たなかった球速をどう伸ばしたのか、話を聞いた。

 この日は7回2死二塁から救援登板すると、入学時に最速136キロだった球速は、2人目の打者に対する初球で149キロをマーク。「マウンドは硬い方が好きで、地面反力がもらえるので結構投げやすかったです」と爽やかに答え、2回1/3を投げて自責点0と好投した。

 東京・都立江戸川で過ごした高校時代は、「センスもなければうまくもない」選手だった振り返る。「夢とか目標も無いというか、持てなかった。いつも現実を見て、無理だろうとはなから諦めてしまっていました」。3年夏はベンチ外。そんな目立たない存在が、大学の準硬式の世界で一念発起し、飛躍的な成長を遂げた。

 準硬式野球で使用するボールは、表面が軟式球と同じ天然ゴムで覆われており、中身は硬式球と同じようにコルクの粉末と樹脂を混ぜ合わせた芯に、糸が巻き付けられている。表面が硬式球より柔らかいため空気の摩擦抵抗が大きく、独特な軌道の変化球を投じやすいというメリットがある一方で、ストレートの球速が出にくいという特徴もある。

 だが、2年半で16キロの球速アップに成功。その秘訣は「土台となる基本的な筋力が大事で、その上に、ジャンプトレーニングだったり、メディシンボールを使ったりして、エネルギーを効率よくボールに伝えられるようになる」ことだと明かした。

ベンチ外でも続けた地道な努力 大学に入り、身体の状態を数値で可視化

大幅な急速アップの裏には地道な努力があった【写真:喜岡桜】

「150キロのボールを投げる」ことを目標に据え、除脂肪体重などの数値をプロ野球選手と比較。150キロを投げるプロの投手の数値を指標にし、「そこに近づくために」トレーニングをしたり、食事に気を配ったりした。トレーナーが所有する測定器などで状態を把握しながら肉体改造を実施。それに加えて、「自分の力をロスなくボールにどうやって伝えるのかや、そのタイミング」をつかむことも大事だったという。その成果が、今年9月の最速152キロマークに繋がった。

「高校の時も浅いですけど、常に球速を上げることにフォーカスして、少ない時間でもトレーニングをやっていて、その結果が徐々に出ていたんです。もしかしたら自分でも(速い球を)投げられるんじゃないかなと思ってはいました」

 大学で“自ら考え実践する”理念の準硬式野球に出合ったことで、これまでの努力が実を結びつつある。その先に見据えているのは、155キロを計測して、来年の秋のドラフト会議で指名されること。今はその夢をしっかりと描けている。

トップ選手を育成した指導者が参加…無料登録で指導・育成動画250本以上が見放題

 野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも250本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、元プロ野球選手やトップ選手を育成した指導者、少年野球の現場を熟知する指導者が、最先端の理論などをもとにした確実に上達する独自の練習法・考え方を紹介しています。

■専門家70人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

■TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード