守備力向上へ「歩く動作を見直して」 ホークスJr.が実践…“正しい体重移動”を覚えるゴロ捕球

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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ホークスジュニア・若林隆信氏が推奨、守備力向上に繋がる「ウオーキングキャッチ」

 自由自在な守備動作を身につけるためにも、まずは“基本のき”からの見直しが大切だ。全国の選りすぐりの逸材小学生が集う「NPBジュニアトーナメント」(12月26日~29日)で、史上3チーム目の連覇を狙う「福岡ソフトバンクホークスジュニア」の若林隆信コーチ(元中日、広島)は、嘉弥真新也監督を支える参謀役として、チームの守備・走塁を担っている。普段はホークスのアカデミーで子どもたちを指導しており、守備力向上の前提として「歩く動作から見直してほしい」と語る。効果的なドリルを教えてもらった。

 ホークスジュニアの強みといえば守備と走塁。「二遊間を守れる力がある子、足の速い子には目を引かれます」と、若林コーチもセレクションでは毎年注視するポイントだという。昨年大会も4試合を戦ってエラーは僅かに1。初戦から6盗塁を成功させた走力とともに、堅い守りが15年ぶり優勝の原動力となった。

 今年のホークスジュニアは8月末から活動をスタートさせているが、選考会前に希望者に向けた“異例”の練習会を行ったことでも話題になった。参加者には30ページ弱にわたる「自主練習用ドリル」が配布され、守備編の内容には若林コーチが関わっている。

 その中で1番手に挙げたドリルが「ウオーキングキャッチ」。文字通り、歩きながら行うゴロ捕球だが、「ウオーキングは人間が必ず行う体重移動の動作。守備の動きもその延長線上にありますから大事にしてほしい」と説明する。具体的なやり方は次の通り。

【1】前方から転がしてもらったボールに向けて、前傾姿勢でゆっくり(普通に)歩いていく。


【2】歩く動作の中で、利き手側の足(右投げなら右足)が着地したタイミングでグラブを下げていく。


【3】その流れで逆の足(右投げなら左足)を開いて捕球体勢に入り、ボールを捕る。この際、送球時のステップのために、開いた足のつま先が浮いていることが重要。


【4】その流れのまま送球の姿勢を作る。

【画像:球団提供】

 一番の目的は体重移動の感覚を覚えることで、できるだけ自然に歩きながら捕球体勢に入ることがポイント。実際に取り組んでみると、自然体のまま歩きつつ、ボールとの距離感を合わせにいくのは意外に難しいという。

「真っすぐ歩くこと自体が簡単ではないですし、野球をやっている子ほど、チョコチョコっとステップを踏んで距離を合わせに行ってしまいます。ゆっくり動作はごまかしが効かない。その分、誤った部分を再確認することもできます」

初心者のフライ捕球の練習は「グラブに当てて、下のカゴに落として入れる」

ホークスジュニアの若林隆信コーチ【写真:高橋幸司】

 最近は「フライ捕球が苦手な子が増えた」と言われるが、克服の方法はあるだろうか。「初心者にいきなり捕らせようとすると、落ちてくるボールを待てず、グラブを上に伸ばして捕りにいってしまう。軽く投げ上げたボールをグラブに当てて、下に置いたカゴに落とさせる練習から始めると良いと思います」と若林コーチ。慣れてきたらグラブで捕らせるが、恐怖心が芽生えないよう、まずは柔らかいボールを使っていくのがお勧めだという。

 現役時代は捕手以外、全てのポジションを務めた経験を持つ若林コーチ。それだけに、「守備は本当に基礎が大事。基礎がなければ次の段階に行ってはいけません」と力を込める。名手への道も“一歩”から。子どもたちの「歩く動作」から、見直してみてはどうだろうか。

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