「ボールをよく見て、は危険なんです」 イチロー氏が高校生に伝えた“見極め方”
静岡県立富士高を指導、フリー打撃実演で生徒からの質問に回答
時速150キロを超える投球の、ストライクとボールを見極めるのは容易ではない。日米通算4367安打を誇るマリナーズのイチロー氏(会長付特別補佐兼インストラクター)はどのように見極めていたのだろうか。高校生からの質問に対し「体全体を使うこと」を説いた。
12月3日、4日に静岡県立富士高を訪れサプライズ指導。フリー打撃を実演しながら「自分がどういう状態が知っておく。きょう、僕は調子が悪いんだけど、巻き戻したら見えてくることがある。自分のチェックポイントを持って『どんな打球がいったら、自分の状態がいいのか』知っておくように」とアドバイスを送った。
そんな中、生徒の1人が「選球眼がよくなるには?」と質問。対してイチロー氏は、「選球眼という言葉が僕は嫌いで」と言い、こう続けた。「目じゃない。体でヒットを打てるか判断してほしい。“選球体”。体でボールを打つかどうか。『ボールをよく見て』は危険なんですね」。目だけでボールを追うと、キャッチャーまで目線を向けることがある。これに対してもイチロー氏は「絶対ダメ」と断言した。
ボールを見るのは目だが、打つのは体。目で判断せず、体全体で判断することでより、精度を高くボールを見極めることができるということか。イチロー氏は「それぞれ形がある。絶対に上半身ではなくて、それぞれ下半身の使い方を覚えてくれたらレベルが上がるでしょう。下が使える形を覚えてくれたらうれしいです」とも伝えていた。