
言葉ではなく行動で示す…本当の信頼の掴み方
First-Pitchでは、子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック—きのうよりちょっとうまくなった日—」を始めました。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫県の中学女子軟式野球チーム「兵庫ヴィクトリア」に所属する高橋芽生(めい)さん(2年)を紹介します。
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高橋さんは8月に行われた「第23回全日本女子軟式野球学生選手権大会」に出場。初戦敗退という悔しさを経験した。だが、その試合で2死二、三塁の好機に左翼線へ適時打を放ち、周囲を驚かせた。それは技術的な成長だけでなく、内面的な変化の証だった。
申原祐樹監督から「小学生の時は怒られることがなかったぐらいの選手」と評されるほどの才能を持っているが、最近は「振る舞いや態度」の面で指導を受けることが増えていた。そんな高橋さんが、打撃の技術向上と並行して取り組んでいたのが、グラウンド整備や道具の片付けなど、“雑用”への積極的な参加だった。
日々、積み重ねてきた小さな努力が実を結んだ。申原監督が「まだまだ」と評した精神面での変化がもたらした成果でもあった。言葉でなく行動で示すことで、チームからの信頼を勝ち取ろうとする高橋さん自身の変化だった。
申原監督は、高橋さんのプレーについては「あえて言うことはなく、無言の信頼を寄せている」と口にする。ランナーが得点圏に進めば「相手投手の足元を狙い、強振しない」というアドバイスを実行し、得点を奪いチャンスを拡大する。
それでも、彼女自身はまだ課題が残っていることを自覚している。試合ではショートゴロを捕球できない場面が2度あった。しかし、その後にアウトにできたゴロもあり、確かな手応えも感じている。「強いボールとコントロールを身につける」という次の目標は、技術的な向上だけでなく、グラウンドに立つ1人の選手としての責任感を高めることにもつながっていく。
過去の活躍にとらわれることなく、目の前の小さな課題一つひとつに真摯に向き合う高橋さんの姿は、誰かと比べるのではなく、昨日の自分よりもちょっとうまくなった今日の自分を大切にする「成長のスコアブック」そのものだ。それは、彼女が「無言の信頼」を勝ち取っていくプロセスであり、これからの野球人生を支える確かな土台となるだろう。
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