部活動廃止に揺れる激戦区…あえて“中学軟式”設立の理由 親子の負担減らすメリット

文:橋本健吾 / Kengo Hashimoto

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2025年設立の中学軟式「魚住フェニックス」横田圭司監督が語る地域移行後の野球環境

 2026年度から段階的に地域クラブへ移行する中学校の部活動。全国に先駆けて原則廃止となった神戸市など、環境の変化に戸惑う家庭も多い。中学硬式チームが多数存在する兵庫県で、2025年に産声をあげたのが中学軟式クラブチームの「魚住フェニックス」。監督を務める横田圭司さんは「高校野球で通用する育成」を掲げ、「部活動に代わる新たな受け皿」として活路を見出している。

 中学の部活動がなくなると、子どもの送迎など保護者の負担増が懸念される。だが、軟式は硬式野球と比べると、グラウンドの確保が比較的容易だ。「硬式球は使用不可の場所が多く遠方への移動がありますが、軟式は練習場所の確保で苦労したことがありません」と横田監督。近場のグラウンドを確保しやすく、部費も安く済む。

 野球を続けたい子どもたちの「受け皿」にもなると考えている。「中学校の部活動なら野球を選んでいた子もいたと思います」と横田監督。硬式チームは“敷居が高い”と感じる子どもや保護者もいるという。「軟式ならやってみよう。それが理由でもいい。子どものポテンシャルはどこで開花するか分からない」と、野球初心者も受け入れている。

 軟球は硬球に比べて軽く負担も少ないが、「軟式だから投げてもOKというわけではありません」。自身も高校時代に怪我で苦しんだ経験から、肩は消耗品と位置づける。勝利のためにエース1人に頼ることはせず、1試合を3人の投手で回す方針をとる。そのため、日々の練習では投手と捕手の育成に重点を置いているという。

 具体的な取り組みとして、まずは選手全員に投手と捕手を経験させる。バッテリーを実際にやってみることで野球を覚え、視野が広がるからだ。配球の意図を学ぶことは打撃向上にも繋がる。高校野球に進むまでに、最低でも2、3ポジションを覚えてもらうことを育成の目標としている。

魚住フェニックス・横田圭司監督【写真:橋本健吾】

 チームには現在、中学1、2年生の計22人が在籍。小学校時代に全国制覇を経験した熊崎龍道投手は「軟式でも上のレベルを目指せる。硬式に進んだ同級生もいますが、やることをしっかりやれば高校で勝負できると思っています」と軟式を選んだ理由を明かす。

 肩肘への負担を減らしながら上のレベルを見据えることは、選手の将来を考えた指導の要である。部活動の地域移行が進む中で軟式クラブは重要な選択肢の一つとなる。保護者の負担が少ないなど野球を始めやすい環境の軟式クラブチームは、これからの時代のスタンダードになるかもしれない。

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