甲子園強豪の付属校が「最短で日本一」になった背景 中学生が急成長する“過程の評価”

更新日:2026.03.26

文:磯田健太郎 / Kentaro Isoda

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春の中学軟式日本一…桐生大附属中が創部3年目で頂点に立ったワケ

 中学軟式野球の全国大会「文部科学大臣杯 第17回全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメント」は25日、岡山県の倉敷マスカットスタジアムで決勝戦が行われ、桐生大附属中(群馬)が東海大静岡翔洋中(静岡)に5-2で勝ち、優勝を飾った。2024年に創部され、3年足らずで快挙を手にしたが、短期間で強化できた背景には“部活動ならでは”の強みがあったという。

 桐生大附属中は、1999年夏の甲子園で優勝するなど、強豪として知られる桐生第一高の付属校である。ただ、甲子園出場は2016年選抜大会が最後で、中学部から強化する機運が高まっていた。そんな中、星稜高OBで、埼玉県の公立中で指導していた齋藤健子郎監督が招聘された。2022年は桐生第一でコーチを務め、2023年の創部準備を経て2024年から活動を開始した。

 集まった1期生は技術はあるものの、他校の上級生とは体格差もあり、当初はなかなか勝てない日々が続いた。しかし一冬越した2025年は1学年上のチームを相手に“快進撃”。3月の第16回全日本春季軟式大会で8強、8月の関東大会で3位になり全国中学校軟式大会に出場するなど実績を残した。そして、1期生が“最上級生”となった今大会で頂点に立った。

 短期間で強くなった要因とはなんだったのか。齋藤監督は「どの学校も練習メニューはそんなに変わらないんですよ。でも、その質を上げることですね。目的意識とか、なぜこの練習をするのかという根拠を理解して取り組むだけで、中学生は全然変わるんです」と語る。

“等身大の自分たち”を知ったことも大きかったという。「群馬県内でも力のある子たちだったので、最初はそれを鼻にかけている選手もいました。でも、1年生のうちから星稜中さんなど県外の強豪とたくさん練習や試合をすることで、自分たちの実力がきちんとわかるようになっていきました」。

21人の少数精鋭で創部3年目での日本一を掴んだ【写真:磯田健太郎】

 加えて、「できないことを、できないまま終わらせないことを大切にしました。やれるまでやる、一緒にやるという部分は、学校生活を通して一緒にできることです。そこはうちの武器ですね。中学生なので、結果を求めたくなるとどうしてもマインドが安定しなくなるので、凡打やエラーも過程がどうだったか評価する声を大事にしています」。グラウンドだけではない人間的成長をサポートできることは、部活動ならではのメリットだろう。

 部員数は少数精鋭の21人。全員がベンチ入りし、一丸となって戦った。「最短での日本一」を掲げて1期生を集め、地道に活動してきたことが実を結んだ。4月から学校名称は桐生第一中学校に変更される。快挙を経て、今後どんな戦いを見せるか楽しみだ。

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