空腹での練習に潜むリスク 成長期を逃さない“補食戦略”…強豪校が定める「最低400グラム」

更新日:2026.02.10

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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九州文化学園高・香田勲男監督が語る補食の重要性

 成長期の子どもには、食トレの効果も大きい。巨人と近鉄で投手として活躍した香田勲男氏は、九州文化学園高の野球部監督に就任して5年目を迎えている。昨夏の長崎大会は決勝に進出。延長11回の激闘の末に敗れたものの、春夏通じて同校初の甲子園出場まであと一歩に迫った。昨秋の長崎大会もベスト4。手腕を発揮する中で、補食の重要性に言及した。

「高校生は体があっという間に大きくなる時があります。体の変化が早いんです。それでチームでは補食に力を入れています。そうすると、体が一気に大きくなる時期がある。保護者の協力も必要ですけど、米をいっぱい食べさせています。ご飯のお供に、例えば納豆とか卵とか、たんぱく質も一緒にとらせたりしています」

 平日は授業が終わると、ユニホームに着替えて校舎から約3キロ離れたグラウンドまでランニング。通常の練習開始前に隣接した合宿所に向かい、米の分量を量って1人最低400グラムは食べるという。米だけだと飽きてしまうため、納豆や卵などと食べることで炭水化物とたんぱく質を摂取。筋力アップや免疫力の向上につなげる。

「おなかがすいたままトレーニングしてしまうと、筋肉がつかずにエネルギーを消費してしまうらしいです。エネルギーが枯渇する前に食事を入れてトレーニングすると筋肉も落ちないし、またいいパフォーマンスができるという考え方です」

 空腹で練習すると、もったいない部分が出てしまう。食べられる選手は400グラム以上、おなかに詰め込んでから練習に臨む。昼食は弁当が支給されるが、それ以外に個別にタッパーに米を詰めて持参する“食トレ”に貪欲な選手もいるそうだ。

朝を含めて3食を食べるのは大前提…熱中症の予防にも

九州文化学園高・香田勲男監督【写真:尾辻剛】

 最近の子どもたちは朝食をとらないケースも増えているそうだが、香田監督は朝食の重要性も力説する。「朝もしっかり食べることで熱中症予防にもなります。今の夏は暑いですし、食べることは大事なこと。朝にしっかり味噌汁を飲んだり、ご飯をしっかり食べることによって水分の補給にもなります」。補食以前に、3食をしっかり食べることは体力強化やパフォーマンス向上のための大前提である。

 選手としてプレーする時期は補食に力を入れる分、夏の大会が終わって補食がなくなると、痩せる3年生は多いという。「高い意識を持って食べていたんでしょうけど、野球が終わった3年生はカリカリになっていく。『お前、誰?』っていうぐらい痩せちゃう子もいます」。卒業後も野球を続ける選手は、補食は継続する必要がありそうである。

 体が大きくなれば、パワーがつく。たくましさを増し、怪我もしにくくなる。投手は球が速くなり、打者は飛距離が伸びる。食事もトレーニングの一環。3食に加えた補食は、体力と技術の向上に向けて成長期の選手にとって欠かせないものとなってきている。

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