NPBジュニア選考をクリアするには 重要な“2点”…元プロが明かす「化ける選手」の見極め

オリックスJr.を指揮する塩崎真監督「4年生や5年生でもチェック」
自分のプレーは、いつどこで誰に見られているか分からない。今年で21回目となる「NPBジュニアトーナメント」は、12月26日から29日までの4日間、神宮球場と横浜スタジアムで開催される。「オリックス・バファローズジュニア」で2年連続通算5度目の指揮を執る塩崎真監督は「4年生や5年生でも試合で目につく選手はチェックしています」と、選手選考ポイントの一端を明かす。
オリックスジュニアの選手選考過程は他球団とは少し異なる。まずは主催する「バファローズカップ少年少女軟式野球大会」出場チームの選手から選考を進め、次にデジタルチャレンジ、実技によるセレクションを行い、メンバー16人を決定している。主催大会で長い期間をかけてチェックできるのは強味と言ってもいい。
個人能力だけでなく、チーム内での立ち位置や振る舞い、性格なども把握できるため塩崎監督も「最終選考から本番までは約3か月と期間は短い。チーム作りを行う上ではメリットになると思う」と利点をあげる。厳しい選考を勝ち抜いた16人は6年生が中心。だが、選考基準となる大会では先を見据えて選手をチェックすることもあるという。
昨年のジュニアトーナメント初戦で先発を任せた「門真TKS.jr」の山西紅莉(あかり)投手は、4年生の時から注目していた選手の1人。当時は野手として出場していたが、「上級生に混じっても投げる姿が素晴らしかった。打撃はもちろんですが、6年生になってからは投手として来てもらった」と振り返る。
注視するポイントは「投げ方」&「スイングスピード」

小学生の成長スピードは想像以上で、一気に大化けする選手もいるという。塩崎監督はコーチ陣やチーム関係者に「少しでも気になる選手がいれば、夏場にもう一度見てほしい」と伝えている。バファローズカップは4月下旬に始まり、全ての選考を終えるのは9月下旬。約5か月の短期間では、エース格や主軸になりえる選手を見逃す危険性があるからだ。
「極端に言えば、全く目に留まらない選手が、動画選考で『どこにこんな選手がいたの?』ということもある。もう少し力強さが欲しいと思っていた選手が、夏を迎えて力強さが出てくることもあります。だから、子どもたちにはチャンスはたくさんあると思ってほしい」
塩崎監督が注視するポイントは「投げ方」「スイングスピード」の2点。野手は1つのアウトを確実に取れる安定したスローイング、投手ならピンチの場面でもブレない制球力が必要と説明する。打者では、速球に負けないスイングができる選手を求めている。
「投げることに関しては短い期間で変えることが難しいので、選手が持っているそのままの形でいきたい。無理に変えてしまうと投げ方が分からなくなる子もいます。打者はボールを捉える能力とスイングスピード。大会では120キロ近い球を投げる子もいます。映像では複合バットで打つ子もいるので、私たちもある意味、“騙されない”ようにしないといけない」
プロ野球選手と同じユニホームを着用し、トップレベルの選手たちが集う夢舞台。塩崎監督は「多くの子どもたちに挑戦してほしい」と呼びかけ、最終選考まで視察を続けていく。
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