怪我で苦しんだ現役時代を「反面教師」に 大学で指揮…元鷹右腕の“大人”の指導

びわこ成蹊スポーツ大学で監督を務める元鷹の山田秋親氏
2000年ドラフト会議でダイエーを逆指名した山田秋親氏は現在、びわこ成蹊スポーツ大学の監督を務めている。プロの世界では怪我もあり存分に力を発揮することができなかった自身の経験を元に、学生たちには「効率の良い怪我のないような投げ方を伝えている」と語る。
山田監督は立命大時代に最速153キロの直球を武器に、アマチュアNo.1右腕としてドラフトの目玉として注目を浴びた。逆指名してドラフト2位でダイエー(現ソフトバンク)に入団すると「将来のエース候補」として期待されたが、右肘、左膝を手術するなど怪我に泣きプロ通算126登板、16勝11敗1セーブ、防御率4.76の成績に終わった。
「今思えば理にかなった投げ方ではなかった。上半身の馬力だけで投げることはできても、長いシーズンは持たない。20代前半は肉体的にも一番脂がのっている時期。2軍に落ちたくない。自分の居場所を失うことが怖かったので」
どれだけ素材が良くても、自分の体を理解しなければポテンシャルを生かすことはできない。2008年オフにソフトバンクを戦力外となり、独立リーグを経て2010年にロッテに入団。再びNPBの舞台に戻ったが、プロ野球人生の大半は怪我やリハビリに費やした。
“大人”の大学生への指導は「やるか、やらないかは自己責任」

同大学の投手コーチを経て2021年に監督に就任。自身の現役時代を“反面教師”とし学生たちには「怪我で苦労をしないことが大事」と伝え、野手なら準備の大切さ、投手にはフォームの重要性などを意識させている。
中高校生とは違い、精神面や肉体面でも“大人”である大学生への指導には「練習ではある程度の叱咤激励はしますが『やるか、やらないかは自己責任だよ』とは言っています」。明確な目標を掲げ、そこに向けて逆算していく思考も養ってほしいと考えている。
チームは京滋大学1部リーグで春、秋ともに最高成績が2位。「3、4年生のなかには面白い選手もいるので、今年は勝つ喜びを味わわせてあげたい」。監督3年目を迎える今季はリーグ優勝と神宮大会出場を目標に掲げ、突き進んでいく。
指導・育成動画が無料登録で動画200本以上が見放題
野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも200本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした確実に上達する独自の練習法や考え方を紹介しています。
■専門家50人以上が参戦「TURNING POINT」とは?