「指導者の食い違いで一番かわいそうなのは選手」

 年中夢球さんは自身がチームの指導をしていた時、こうした不満や疑問を限られた人で共有しないように促していた。その理由を「みんなの前で言ってもらえばクレームではなく、問題提起になります。指導者の食い違いで一番かわいそうなのは選手です」と説明する。チームでは毎週土日に指導者全員で方針の確認をしていたという。年中夢球さんは「分かっていても人間は忘れるので、大事なことは繰り返し確認します」と語る。

 3度の全国制覇を成し遂げている滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督は、複数のコーチ陣と食い違いが生じないように気を付けている。例えば、新しい練習法を取り入れる時は全てのコーチを集めて意図を共有する。時には保護者を集めて説明する。辻監督の根底には「大人の考え方は全く同じではないものです。ただ、コーチ陣同士で否定し合わないようにしたいです」という思いがある。

 コーチに、特定の学年だけ指導させる方法をとらないのも、指導者全体で同じ方向へ進む狙いがある。コーチによって教える頻度が多くなる学年はあるものの、辻監督を含めて全ての指導者が全ての選手を見るようにしているという。大人の都合や考え方で、子どもたちが野球を楽しむ機会や成長する可能性を奪ってはならない。

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