高めの速球が打てない… “米国流”コーチが伝授、指導の「常識」覆す解決法

公開日:2023.01.15

更新日:2024.07.18

文:First-Pitch編集部

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米国で技術指導学んだ菊池タクト氏が指摘 高めの速球打てない要因は極端なアッパースイング

 バットは手で握る。だが、スイングで大切なのは手を使わないことだという。米国で技術指導を学んだ野球スキルコーチの菊池タクトさんが12日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントに登場。高めの速い球を空振りしてしまう悩みにアドバイスを送った。

 菊池さんは野球スキルコーチとして、米国で学んだ技術や知識を伝えている。「TURNING POINT」の会員向けに開催したオンラインイベントでは、少年野球の指導者や保護者らの質問に回答。その中には、菊池さんが普段から悩み相談される内容があった。

「縦振りを意識すると、高めの速い球を空振りしてしまいます」

 少年野球界でも関心が高まっている打撃理論「縦振り」。従来のダウンスイングと違い、バットを縦に使って打球を捉える打ち方で、軌道はアッパースイングに見える。

 菊池さんの打撃理論は前傾姿勢で、右打者であれば右肩を下げ、両肩を結んだラインとバットの軌道を平行にする。グリップがヘッドよりも高い位置でスイングするため、「縦振り」と言われている。

 菊池さんは縦振りで高めの速い球を空振りする選手は、極端なアッパースイングになっているケースが多いと指摘する。ヘッドがグリップより下がるのは問題ないが、下がり過ぎるとバットを手で操作する必要があり、対応が難しくなるという。

手の役割は「バットの位置をキープ」 振る力は不要

「手でスイングはしません。肩のラインと平行にバットを出せるように、バットの位置をキープするために手を使います。手に振る力は必要ありません」

 菊池さんは、体の向きや軸足の回転、体重移動でスイングすると説く。バットを手で振ろうとすると、手が体から離れてパワーロスになるという。また、手でバットを操作すると、スイングの軌道が崩れやすい。

 バットを手で操作しないために大切になるのが、右打者であれば右肩。右肩を下げて右足を回転させ、胸が投手に向くように体を回すと、手でバットを振らなくても自然とスイングできる。しかし、少年野球では「右肩を下げるな」という指導が“常識”となっている。

 実際、オンラインイベントでも少年野球の保護者から「息子が菊池さんの打撃理論を参考にしていますが、チームの指導者に『右肩が下がる』と注意されてしまいます」という悩みが寄せられた。菊池さんは迷わず、次のように答えている。

「右肩は絶対に下がってOKです。右肩を下げないと手でバットを操作してしまいます。手で操作すると、特に力がない選手は打球を遠くに飛ばせません。難しい事情は承知していますが、お子さんに良い感覚があるのであれば、右肩は下がっても大丈夫と指導者に伝えてください」

 菊池さんは指導において、選手の感覚や考え方を尊重している。「本人の中で良いものを続けられる環境をつくっていくことが大事です」。指導者の役割は技術指導だけにとどまらない。

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